2012 Fiscal Year Annual Research Report
肺炎球菌ワクチン(PCV-7)の導入により、新たな流行クローンは出現するのか?
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22790589
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
河原 隆二 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 主任研究員 (10332454)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 肺炎球菌 / ワクチン / 薬剤耐性 / 分子疫学 / 母子保健 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、研究協力医療機関9ヶ所で血液より培養された肺炎球菌について解析を行った。薬剤感受性試験は微量液体希釈法を用い、PCGのMIC値(µg/mL)により、PSSP≦0.06、0.06<PISP<2、2≦PRSPと分類し、他の薬剤についてはCLSIの基準に基づいて判定した。血清型は、肺炎球菌型別用血清を用いて決定した。薬剤耐性遺伝子については、ペニシリン結合タンパク2x、2b、1a遺伝子配列の解析およびリアルタイムPCRによるerm(B)、mef(E)/(A)、tet(M)の検出を行った。MLSTは、http://spneumoniae.mlst.netに記載されている方法に基づいて実施した。 2008~2010年の年平均の症例数は32.7例であったが、著明な減少が見られた2011年と同様、2012年も12例となった。また肺炎球菌ワクチン(PCV-7)のカバー率は、2010年までは76.7%であったが、2011年は30.8%、2012年は0%とさらに低下した。これは、PCV-7が2010年の販売から現在にかけて広く普及が進み、ワクチンによる予防効果が現れてきていることを示唆しており、これまでのところ侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)全体で見た場合の減少率は約60%程度と見込まれた。また、薬剤耐性の程度およびその関連遺伝子の保有状況については特に変化は見られなかった。 今後、海外で見られるように19A型の流行など、特定の血清型や遺伝子型株の増加の恐れもあるが、これまでのところ新たな流行株の兆候は感知されていない。近く、PCV-7より多くの血清型に対応したワクチンが販売されると言われており、早期の導入が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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