2012 Fiscal Year Annual Research Report
肺免疫染色を用いた死亡前における全身状態の病理組織学的評価法に関する研究
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22790595
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
井上 裕匡 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50363338)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 急性肺傷害 / 肺脂肪塞栓 / 高温暴露 / 遺伝子発現 / 蛋白発現 |
Research Abstract |
急性肺傷害(ALI)は、様々な原因により生じるが、その程度から死者の死亡前の状態が推測される可能性が考えられ、死因および死亡の原因の判断に有用であるその指標として用いる対象物を検索すべく、今年度の研究では、ALIの原因となりうる複数の原因が混在したとき、その傷害の程度は相加的ではなく、相乗的に作用するとの仮説を立て、動物実験を行った。10週齢雄ラットに、いずれALIの原因となりうる1)高温暴露、2)オレイン酸静注(肺脂肪塞栓)を、単独もしくは連続して負荷し、1時間経過後の肺病理組織学的検索および肺における炎症性サイトカインであるインターロイキン(IL)-1β、IL-6、組織壊死因子(TNF)-αや血管内皮細胞増殖因子(VEGF)-A、形質変換促進因子(TGF)-β1、マクロファージ炎症蛋白(MIP)-2,顆粒球単球コロニー刺激因子(GM-CSF)、ヒートショック蛋白(HSP)70の各mRNA定量を行った。その結果、病理組織学的にはオレイン酸静注でALIの状態となっていることが確認され、IL-1β、IL-6、TNF-α、MIP-2、GM-CSFの各mRNAはオレイン酸静注で有意に発現量が増加した。一方、高温暴露単独では明らかな病理組織学的変化は見られなかったが、HSP70、VEGF-A、TGF-β1の各mRNA発現量は高温暴露で有意に増加した。これら2つの要因が重なった状態で、炎症性サイトカインであるIL-1βmRNAは相乗的に増加し、IL-6も同様の傾向が見られた。一方、肺組織内に発現す上記遺伝子に対応する各蛋白を定量したところ、TGF-β1がオレイン酸静注後1時間で有意な増加が認められた。GM-CSFやTGF-β1は急性肺傷害の指標として利用できる可能性が見いだされた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)