2012 Fiscal Year Annual Research Report
脳動脈の3次元的病態解析-脳血管インターベンション世代が求める法医鑑定法の確立-
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22790602
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
呂 彩子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50296555)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | くも膜下出血 / 脳動脈瘤 / 脳動脈解離 / 突然死 / 法医病理学 |
Research Abstract |
椎骨動脈解離の病変把握のために50例の破裂椎骨動脈を0.2mm間隔の連続組織で作製し、外膜破裂の中心を基準とした血管病変の出現範囲を長軸方向に計測した。また三次元解析ソフトを用い、破綻の形状を解析した。その結果くも膜下出血の原因となる外膜破綻は全例1箇所であり,長さも2mm程度と短かった.外膜の伸展部位は血管造影のdilatation像に一致すると考えられ,臨床的に確認が可能と予想される.しかし外膜伸展部の周囲に内膜亀裂や中膜脱落などの解離性病変が病理組織学に確認された.このため破裂例では破裂部,血管拡張部のみならず広い範囲の血管の保護が必要と考えられた. さらに解離性病変は,破裂部位からみて近位側に長く存在していた. これらの結果は第37回脳卒中学会、第37回日本法医学会学術関東地方集会等で発表し好評を得た。第28回脳血管内治療学会においては最優秀ポスター賞を受賞した。また本研究における3次元解析法が評価され、脳血管内治療学会シンポジウム「多角的アプローチに基づく脳動脈瘤治療の未来」にて報告した。諸学会にて血管内治療専門家と討論後作成した論文 Pathomorphometry of ruptured intracranial vertebral arterial dissection: adventitial rupture, dilated lesion, intimal tear, and medial defectは、国際誌のJ Neurosurgeryに掲載された。 脳血管の破綻による突然死は内因性、外因性いずれも詳細な検討が少なく、本研究成果は法医鑑別の補助資料としてのみならず、脳血管疾患治療における基礎データとして提示することができ有用であった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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