2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗菌ペプチドを指標とした新規汗垢証明法の開発とDNA型検出率との関連性
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22790606
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| Research Institution | National Research Institute of Police Science |
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Principal Investigator |
阿久津 智子 科学警察研究所, 法科学第一部, 主任研究官 (50356151)
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| Keywords | 法医学 / 汗垢 / DNA型 / 抗菌ペプチド |
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| Research Abstract |
近年、DNA型鑑定の精度が向上し、微量の生体資料からもDNA型の検出が可能となる中、痴漢事案等、犯人が「接触した」と考えられる部位からのDNA型検出に対する需要が高まっている。しかし、「接触した」部位に付着すると考えられる汗垢を積極的に証明する方法は確立されておらず、汗垢付着量とDNA型検出率との関連性も明らかとされていない。そこで本研究では、抗菌ペプチドであるDermcidinおよびPsoriasinを指標とした汗垢の積極的証明法を確立し、それらの検出量とDNA型検出率との関連性を明らかとすることで、犯人が「接触した」と考えられる部位からのDNA型鑑定をより効率的に実施し、かつ得られたDNA型の証拠価値を高めることを目的として検討を行った。
Dermcidinについては、間接ELISA法による検出法をすでに確立しているため、本研究ではまず、間接ELISA法、免疫細胞化学染色法、あるいはreal time RT-PCR法による、汗垢からのPsoriasin検出法について検討を行った。その結果、間接ELISA法により、検討したすべての汗垢試料からPsoriasinを高感度に検出可能であったことから、Psoriasinの検出についても、間接ELISA法を用いることとした。つづいて、汗垢以外の体液における、間接ELISA法によるPsoriasinおよびDermcidinの検出について検討を行った。その結果、Psoriasinは膣内容物の一部で弱い発色が認められたものの、それ以外の体液からは検出されなかった。一方、Dermicidinは、汗垢以外の体液からは検出されなかった。したがって、間接ELISA法によるPsoriasinおよびDermcidinの検出は、積極的な汗垢証明法として適用できる可能性が示された。
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