2011 Fiscal Year Annual Research Report
クローン病感受性遺伝子IL12Bが感受性を亢進させる分子メカニズムの解明
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22790628
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 克哉 東北大学, 病院, 医員 (40509197)
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Keywords | クローン病 / 感受性遺伝子 / IL12B / allelic expression imbalance |
Research Abstract |
クローン病を対象としたGenome wide association study(GWAS)のメタ解析によって、IL12Bがクローン病感受性遺伝子候補であることが示された。IL12Bが感受性遺伝子であることを確定するためには、その相関する対立遺伝子がIL12B遺伝子の機能、特に発現に影響を与えることを示さなければならない。昨年度においては、IL12B遺伝子周囲のTag SNPを用いて、最も強く日本人クローン病と相関するハプロタイプを同定する作業を行った。日本人IL12b遺伝子を含む領域には、2つのメジャーハプロタイプ(A,B,C)が存在していることを明らかにした。そのうちハプロタイプAがリスクハプロタイプであり、ハプロタイプBが非リスクハプロタイプであることを明らかにした。本年度においては、ハプロタイプAとB由来のm-RNAの発現比を測定することで(allelic imbalance)、リスクハプロタイプはm-RNAの発現を亢進させることが、明らかとなった。そのことが、過剰な免疫反応を引き起こしている原因となっている可能性が示唆された。また、今年度はm-RNAの発現亢進を引き起こす責任SNPを確認するために、in vitroのpGL4を用いたプロモーターアッセイ用のプラスミドを作成中である。すなわち、luciferase遺伝子5'直前に日本人IL12B遺伝子のプロモーター(500bp)を挿入したアッセイプラスミドを最初に作成し、調べたい領域を1kb毎、PCRで増幅して、そのアッセイプラスミドのさらに5'上流に挿入して、リスクハプロタイプ、非リスクハプロタイプとの転写活性を比較するためのプラスミドを作成している途中である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、東日本大震災にて実験棟の立ち入りが禁止されたため、実験の遅れが生じたが、後半で順調に実験が進行したため、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度についても、H23年度に引き続き、プロモーターアッセイ用のプラスミドを作成し、そのプラスミドを用いてアッセイを行い、過剰な発現を生じさせる責任SNPを同定する作業を行いたい。
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