2010 Fiscal Year Annual Research Report
レニンーアンジオテンシンシステム抑制による胃化学発癌予防メカニズムの解明
Project/Area Number |
22790640
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
杉本 光繁 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (80397398)
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Keywords | 胃癌 / ヘリコバクター / レニン-アンジオテンシン / 化学発癌予防 / スナネズミ |
Research Abstract |
本研究は、ヘリコバクターピロリ感染における上部消化管疾患の多様性を規定する因子の一つであるレニン-アンジオテンシン(RA)システムの胃粘膜内における生理活性メカニズムを、胃癌細胞株あるいは動物スナネズミモデルにHPを感染させることによって解明することを目的としている。また、RAシステムの阻害薬であるアンジオテンシ変換酵素(ACE)阻害薬とアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)投与による胃粘膜内の抗炎症作用や化学発癌予防効果も検討し、高齢者社会を迎える中での同薬剤投与による胃癌発癌予防の可能性を探ることも目的として立案された。 本研究によりヘリコバクターピロリ感染スナネズミモデルにおいて、胃粘膜中のアンジオテンシンIIタイプI受容体(AT1R)やタイプII受容体(AT2R)が発現し、時間経過とともに高発現していくことが認められた。それは、炎症細胞浸潤程度とも明らかに相関をしており、dupAやcagAなどのヘリコバクターピロリの菌側の要因に影響が及ぼされている可能性が考えられている。また、AT1RとAT2Rの発現量は、お互いに相関をしており、RAシステム内での独自の調節機構が存在していることも考えられる。
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