2012 Fiscal Year Annual Research Report
IgGの糖鎖異常に基づく炎症性腸疾患の基礎的病態解析から臨床への応用
Project/Area Number |
22790643
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新崎 信一郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60546860)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 糖鎖 / IgG / B細胞 / インフリキシマブ / B4GalT |
Research Abstract |
原因不明の難治性疾患である炎症性腸疾患のIgG糖鎖異常に着目し、糖鎖異常が腸管炎症に及ぼす影響や、糖鎖異常のIgGを産生するB細胞の腸炎への関与について基礎的検討を行うとともに、臨床応用を目指し、糖鎖異常と治療効果、疾患予後との関係を明らかにする研究を遂行した。 1、糖鎖異常マウスに対する腸管炎症の誘導 ガラクトース欠損IgGの程度が、ヒト炎症性腸疾患のそれと酷似している、β-1,4-ガラクトース転移酵素-I (B4GalT)欠損マウスに実験腸炎を発症させると、野生型に比して腸炎の程度が軽減された。その腸炎軽減には、細胞表面の糖鎖構造が変化することで、B細胞とマクロファージの細胞間コミュニケーションが変化し、マクロファージのIL-10産生を調節している機構が考えられた。この成果につき論文発表を行い(Gastroenterology. 2012 May;142(5):1172-82.)、国内学会・国際学会等で広く報告した。 2、炎症性腸疾患患者由来B細胞株の樹立と機能解析 患者および健常者から採取した末梢血B細胞を不死化させた細胞株を樹立し機能解析を行ったところ、糖鎖関連遺伝子のうち、B細胞のガラクトシル化にはB4GalTの他にも重要な酵素があることが明らかとなった。現在その機能をさらに詳細に解析中であり、論文報告に向け準備中である。 3、IgG糖鎖変化と炎症性腸疾患の治療効果および疾患予後 インフリキシマブ治療前後で経時的に血清を採取し、IgG糖鎖構造の変化を治療効果別に比較検討したところ、IgG糖鎖変化の度合いによって治療効果予測ができることが明らかとなり、論文発表を行った(Inflamm Bowel Dis. 2013 Feb;19(2):321-331.)。これら成果を、国内学会・国際学会等で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)