2011 Fiscal Year Annual Research Report
RNF43パルス樹状細胞と特異的活性化リンパ球を用いた免疫細胞療法の開発
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22790651
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土方 康基 九州大学, 大学病院, 助教 (80460856)
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Keywords | 腫瘍免疫 / CTL / 樹状細胞 / RNF43 / 免疫寛容 / 臨床試験 / GMP / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
昨年に引き続き本免疫細胞療法臨床試験を行い、本年度は4候補患者を九州大学病院先進医療適応評価委員会において検討した。その結果、2例が適応症例と認められ、1例が投与完了、1例が現在投与継続中で、本年4月12日に完了予定である。残り2例は同委員会において適応外症例と判定された。免疫細胞の調製はGMP (Good Manufacturing Practice)に準拠しそ行うために、妥当性確認を厳密に行った。本試験はRNF43特異的活性化リンパ球の2段階容量漸増試験(各レベル5例)であり、レベル1の5例を完遂したため、昨年10月同委員会においてレベル2への移行について審議された。主要評価項目の安全性評価はCTCAEv4.0に則り、1例が肝機能障害(Grade3)、原病の進行によるものと判断されたが、規定に従い1名を追加し、6例目の検討を現在行っている。それ以外にGrade3以上の重篤な有害事象は認められなかった。抗腫瘍効果についてはRECIST基準に則り評価し、免疫療法特有に認められる遅延反応効果の可能性も考慮し、細胞療法終了1週間と4週間後の2点で評価した。2点とも5例中3例がSD(安定),2例がPD(進行)であった。またSD症例の1例に腫瘍マーカーが4週間後に低下し、遅延反応効果を示唆した。免疫学的評価において、SD症例で末梢血中のRNF43ペプチド特異的CTL誘導がCD107a/bアッセイ法によって確認された。また免疫寛容関連因子として血清中のIL-6,IL-10濃度がPD例で試験期間中に上昇し、SD例では低値継続であったため、これらはバイオマーカーの指標となる可能性が示唆された。さらに末梢血中制御性T細胞(Treg)数は5例中3例(SD2例、PD1例)でシクロホスファミド(CY)投与後に低下し、CY投与によって臨床効果を低下させることなくTregを排除できる可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)