2010 Fiscal Year Annual Research Report
p53/miRNA共発現ベクターによるアポトーシスとRNA干渉を用いた複合癌治療
Project/Area Number |
22790654
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
井戸川 雅史 札幌医科大学, 医学部, 助教 (00404749)
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Keywords | 遺伝子治療 / p53 / miRNA / MDM2 / アデノウイルスベクター / 癌 / アポトーシス / 治療抵抗性 |
Research Abstract |
様々な癌において高頻度にp53の異常が報告されおりp53の導入による遺伝子治療が有効であると考えられるが,必ずしも著効するとは限らず更なる工夫が必要である.p53により発現誘導される標的遺伝子の中に,そのアポトーシス効果に対して阻害的に働くものがあることが知られている.そこで,そのようなアポトーシス阻害的な標的を特異的にノックダウンする人工miRNAを設計し,p53発現ウイルスベクターと同一のベクター内で発現させることで,p53が発現した際のアポトーシス阻害的な標的の誘導を抑制し,細胞死の誘導を増強したい.これによりp53による遺伝子治療効果の増強,耐性の解除が期待される. 我々はこれまでに,p21発現抑制miRNA/p53共発現アデノウイルスベクターを開発することで癌治療効果を増強することに成功した.そこで,更に別の標的遺伝子のひとつであるMDM2を特異的に発現抑制する人工miRNAの設計を行った.この設計配列を元に合成したDNAオリゴを発現プラスミドベクターに組み込んだ.このベクターをp53発現ベクターと共にHCT116細胞にトランスフェクションしたところ,p53が強発現しているにもかかわらずMDM2の蛋白発現誘導の抑制が認められた.次に,このプラスミドベクターを元に相同組み換えを用いてアデノウイルスベクターを作成した.今後,このアデノウイルスベクターをp53発現アデノウイルスベクターと共に癌細胞に感染させアポトーシス誘導を定量する予定である.
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Research Products
(3 results)