2010 Fiscal Year Annual Research Report
エピゲノム的アプローチによる未分化型胃癌の早期診断体系の構築
Project/Area Number |
22790655
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山本 英一郎 札幌医科大学, 医学部, 助教 (60567915)
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Keywords | 癌 / メチル化 / マイクロアレイ / 遺伝子診断 / 癌予防 |
Research Abstract |
未分化癌発生の分子機構の解明と発癌リスク予測の分子マーカーの同定を目的としヘリコバクター感染胃炎7症例、早期未分化型胃癌6症例と早期分化型胃癌3症例の前庭部と体部大轡の非癌組織、さらに癌症例の癌部より得られた内視鏡的生検組織と胃癌細胞株(AGS、MKN7、HSC)の42検体を対象としMethylated CpG island amplification microarray (MCAM)法を用いてゲノム網羅的メチル化解析を行った。病理組織学的にはシドニーシステムで評価した。15134プローブ搭載のカスタムアレイを用いたMCAM法において、6161遺伝子のメチル化プロファイルを網羅的に解析し、未分化癌と分化癌で異常メチル化の差を認める1759遺伝子を抽出した。さらに、未分化癌で高メチル化している遺伝子に絞り込み1070遺伝子とした。クラスター解析により未分化癌と未分化癌症例の前庭部と体部の背景粘膜、一部のヘリコバクター感染胃炎症例で異常メチル化しており、分化癌と分化癌症例の前庭部と体部の背景粘膜では高メチル化を示さなかった220遺伝子を同定した。このクラスターに分類されたHP胃炎は病理組織学的に活動性が中等度以上であり、鳥肌胃炎も含まれていた。以上の結果より未分化型胃癌の発生にも異常メチル化の蓄積が重要な役割を担っていることが示唆された。さらに候補遺伝子を絞り込みパイロシークエンス法を用いて多数例の検体で解析して発癌リスク予測に有用と考えられる遺伝子を同定した。
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Research Products
(5 results)