2010 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌に対する超音波内視鏡下薬物局注療法及び動注化学療法による新規集学的治療の開発
Project/Area Number |
22790656
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
石渡 裕俊 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90468083)
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Keywords | 癌 / 膵臓癌 / 超音波内視鏡 / 局注治療 / 動注化学療法 |
Research Abstract |
切除不能膵癌に対する動注化学療法の弱点は、動注灌流域外となる後方浸潤部や転移リンパ節のコントロールに弱い点がある。今回の研究はこれらの部位への超音波内視鏡下局注療法にある。エタノールは局注療法として、HCCなどを中心に用いられてきたが、目的部位より拡散してしまう可能性がある、特に後方浸潤部などの間質部などに局注した場合は、拡散が強く効果が期待できない可能性がある。そのため、エタノール(あるいはフェノール)にグリセリンを混合し、粘度を上昇させる方法を考えた、まずは、実験に先立ち、実際エタノール(フェノール)にグリセリンを混合する濃度を変えて、藁液を作製した。エタノール:グリセリンを9:1、8:2、7:3、6:4、5:5、4:6、3:7で薬液を作製し、粘度試験機にて粘度を測定した。またフェノールは粉末剤であるたね、フェノール濃度はそのままで、グリセリン濃度だけを90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%で薬液を調整し、同様に粘度試験機にて粘度を測定した。さらに実際に局注する際に用いる、針(22G)に薬液を通して、注入可能かを検討した。エタノールは.80%以上でないと殺細胞効果が乏しいことが予想され、80%以上で有効な粘度が得られることを期待したが、有効な粘度は得られなかった。一方フェノールはグリセリン濃度が70%以下であれば、実際に注入が可能であり30%以上で適度な粘度がえられていた。 この結果をふまえ、まずは30%と60%グリセリン濃度での7%フェノール溶液を作製し、これを用いて膵癌患者での臨床試験を計画し、登録を開始した。まずは造影剤をまぜた薬液を注入し、術直後のCTでの集積部位を測定し、至適濃度を決定する。
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