2011 Fiscal Year Annual Research Report
B型肝炎ウイルスの肝癌特異的変異と相互作用するホスト因子の解明
Project/Area Number |
22790663
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
新海 登 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 臨床研究医 (30543988)
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Keywords | HBX / HBXアミノ酸変異 / HBXトランスジェニックマウス / 肝癌 |
Research Abstract |
前年度に引き続き3系統のトランスジェニックマウスの解剖をした。 (1).HBV genotype Cの野生株からのHBX蛋白とそのプロモーターを導入したトランスジーンを導入したマウス(wild TGマウス)。(2).(1)のHBX蛋白の130番目のアミノ酸をメチオニンに131番目のアミノ酸をイソロイシンに変異させたトランスジーンを導入したマウス(WM TGマウス)。(3).(1)のHBX蛋白を94番のアミノ酸がチロシンに130番目のアミノ酸がメチオニンに131番目のアミノ酸がイソロイシンに変異させたトランスジーンを導入したマウス(mm TGマウス)。 Wild TGマウス中ではHBxmRNAの発現量が高い系統から腺腫が出現したが癌は認めなかった。WMTGマウスではHBxmRNAの発現量がwildと比べやや少ないにもかかわらず、肝癌が出現した。MM TGマウスではwildやWMの10分の1から100分の1のHBxの発現量であったにもかかわらず発癌がみられた。アミノ酸変異をもつHBx蛋白は病原性が高いと推測される。 次に以前の細胞実験に基づき肝細胞内のDEDD(Death-effector domain-containing protein)とDEDDがターゲットとするcyclinB1について検討した。TGマウスのそれぞれのmRNAの発現を確認してみた。肝臓内のDEDDのmRNAに関してGAPDHのnRNAをコントロールとして観察したところ、TGマウス全体において1.5~3倍同じ週齢のHBx発現遺伝子を導入していないB6Jマウスより発現が上昇していた。cyclineB1に関してもHBxトランスジェニックマウス全体においてl.8~6倍同じ週齢のHBx発現遺伝子を導入していないB6Jマウスより発現が上昇していた。TGマウスの系統間のDEDDやcyclinB1の差についてはHBx蛋白の発現量の差があるため検討は出来なかった。
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