2010 Fiscal Year Annual Research Report
EGFRリガンドCTFの核内移行シグナルを標的とした新規胃癌分子標的治療の研究
Project/Area Number |
22790665
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
志村 貴也 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (90405192)
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Keywords | 胃癌 / 分子標的治療 / HB-EGF / Amphiregulin / EGFR |
Research Abstract |
[目的]我々の共同研究グループはこれまでにEGFファミリーの一つであるHB-EGFやAmphiregulin (AR)がEGFRのリガンドとしての機能のみならず、細胞外ドメインが切断された後に残された細胞内ドメイン(HB-EGF-CTF)が細胞膜から核内へ移行し転写に関連した分子を制御していることを報告した。しかしながらそれらのEGFRリガンドの核移行が胃癌に対してどのような影響を来すかはわかっていないため、我々はHB-EGF-CTFとARの核移行の胃癌における意義について基礎的、臨床的に検討した。 [方法]野生型HB-EGF(Wt-HB-EGF)とHB-EGF-CTFが核内へ移行しない変異型HB-EGF (HB-EGF-mC)を強制発現する胃癌細胞株を樹立した 胃癌細胞株にTet-off systemを用いて形質導入し、細胞培養液のtetracyclineをoffすることで核へ移行するARが選択的に発現可能な細胞株(MKN45/ARΔC)を樹立した. [結果]HB-EGF-CTFの核内移行の抑制により胃癌遊走能および浸潤能の抑制効果をみとめた。in vitroの実験系において核移行ARの発現によりcisplatin, paclitaxel, 5-FUのすべての抗癌剤の感受性が有意に低下した. [結論]ヒト胃癌の進行過程においてHB-EGF-CTFの核内移行が重要な役割をもつことが示唆された。ARの核移行は,胃癌において抗癌剤感受性低下により予後不良となり得ることが示唆された.さらにin vivoでの検討と加えるとともに胃癌の臨床検体を用いてこれらを検証する。
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Research Products
(4 results)