2011 Fiscal Year Annual Research Report
クローナルコンペティションによる炎症性腸疾患の病態解明と新規治療法の開発
Project/Area Number |
22790667
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三上 洋平 慶應義塾大学, 医学部, 研究員(非常勤) (80528662)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / インターロイキン17 / インターフェロンガンマ / クローナルコンペティション |
Research Abstract |
前年度に実施した実験より、腸炎状態におけるTh1/Th17競合の存在が示唆されたが、Th1/Th17競合をさらに発展させ、炎症惹起性メモリーT細胞間のクローナルコンペティションの病態形成に対する関連性について、検討した。まず、腸炎状態における腸管Th1細胞におけるRORgtの発現を検討したところ、RORgt陽性T細胞が予想以上に存在した。既報ではlnvitroの培養系において分化させたTh17細胞はインターロイキン12等の刺激でThi細胞に分化する事からもTh17→Th17/Th1→Th1(Alternative)といった新規のPathwayが出現する事が予想された。 我々はRORg-t/gfpノックインマウス由来のLy5.2+451Bhigh及び野生型Ly5.1+TRをRAG2KOマウスに移入し、さらにその腸炎マウス腸管よりT細胞(LPCD4)を分離しGFP陽性、GFP陰性を再度RAG2KOマウスに共移入した。45RB単独移入群では腸炎を発症し、45RB+TR群では腸炎を抑制した。腸炎発症群では45RB+TR群に比しLy5.2+IFN-γ+CD4+T細胞(Th1)の増加を認めたが、驚くべきことに45RB+TR群はGFP陽性細胞比率の増加及びLy5.2+IL-17A+IFN-γ+(TH17/1)及びIL-17A+IFN-γ-CD4+T細胞(Th17)の増加を認めた。また、45RB腸炎を起こしたT細胞ではGFP陽性細胞においてもT-bet陽性であった。さらに腸炎を発症した腸管のT細胞よりGFP陽性、陰性細胞をそれぞれRAG2KOマウスに移入をしたところ両群とも腸炎を発症した。 Th1/Th17細胞はIFN-γ/IL-17産生を競合し共生する相互干渉が存在すること、細胞間干渉においてTreg細胞はTh17側に偏向する機構が存在すること、Treg細胞はTh17→Th1様細胞分化を阻害することを証明した。
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Research Products
(6 results)