2012 Fiscal Year Annual Research Report
化学療法抵抗性大腸癌におけるCDX2およびチロシンキナーゼの相関とメカニズム
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22790670
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
船越 信介 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20297352)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | CDX2強制発現大腸癌株 / Rac1 / ShRNA,siRNA / 細胞接着 / 免疫染色 |
Research Abstract |
前年度にCDX2とRac1発現に逆相関が疑われる事象が認められ、Rac1の運動能と大腸癌の転移メカニズムを追及することとなった。さらに転移能が高く、化学療法抵抗性のポテンシャルを有するとされているside population細胞(sp細胞)に着目した。大腸癌の悪性化に重要な低分子量GTPaseの代表的分子がRasファミリーであるが、その類似分子であるRhoファミリーのRhoA, Rac1, CDC42の活性化を各種大腸癌細胞株において調べた。その結果、Rac1の活性化とsp細胞分画の割合に相関関係を見出した。さらにRac1活性の高いsp細胞株においてマトリジェル浸潤法にて高浸潤性を示し, RhoA非依存的, Rac1依存的な運動性亢進を示した。またRac1の標的分子であるWAVEを阻害することにより運動能の著しい低下を認めた。一方Rac1活性の低いsp細胞株においては細胞の運動能は低かったが、活性型Rac1を発現する遺伝子を導入することにより, 運動能は明らかに増加した。Rac1 chemical inhibitor NSC23766によるsp細胞株の著明な運動性低下とともに細胞間接着因子E-カドヘリン、核内βカテニンの膜分画への再移行、CDX2の核への再移行を認めた。再びヒトの大腸癌組織を用いた免疫染色の検討に戻り、大腸癌原発巣の中心部、癌先進部および肝転移巣の同一症例16組の比較検討を行ったところ、癌先進部におけるCDX2、Eカドヘリンの発現低下、βカテニンの核内移入、活性型Rac1の核内移入を認め、CDX2高発現Rac1低発現細胞株に対するCDX2のノックダウンとCDX2低発現Rac1高発現細胞株に対するCDX2のノックイン細胞株作成し、Rac1活性化、E-カドヘリン、βカテニンの局在、sp細胞分画を確認している。この仮説を一般化するためにさらなる実験が必要となる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)