2010 Fiscal Year Annual Research Report
ルミカンの糖鎖制御による膵臓癌細胞増殖・転移機構制御法の開発と治療応用
Project/Area Number |
22790675
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
山本 哲志 日本医科大学, 医学部, 助教 (20453920)
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Keywords | ルミカン / プロテオグリカン / 膵臓癌 / 糖鎖解析 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
小型ロイシンリッチプロテオグリカンであるルミカンの膵臓癌における機能を検討するために、培養膵臓癌細胞株の一つであるPANC-1細胞にルミカン発現ベクターを導入した安定過剰発現株をこれまでに作成した。また、ルミカンの過剰発現では、細胞増殖能が亢進することも明らかにしている。今回、この過剰発現株を用いてルミカンの発現が細胞の遊走・浸潤能に及ぼす影響を調べるためにタイムラプス解析とboyden chamberを用いたアッセイを行ったところ、ルミカンの過剰発現はこれらの遊走・浸潤能には影響を及ぼさないことが明らかとなった。 次に、ルミカンによる細胞増殖亢進の機構を解明するために、酵素を用いた糖鎖切断法によりルミカンに結合している糖鎖の解析を行った。その結果、ルミカンには硫酸化の少ないポリラクトサミン鎖が結合していた。また、それ以外にもN-結合型の糖鎖修飾が行われていることが分かった。一方、O-結合型の糖鎖についても検討を行ったが、今回の検討に用いた酵素で切断されるO-型糖鎖修飾は認められなかった。現在、糖鎖修飾を含む他の修飾について、修飾構造及び修飾部位を解析するために質量分析計を用いて検討を行っている。 糖鎖修飾はタンパク質の構造や機能に重要な役割を果たしていることが知られているが、今回の検討によりルミカンにはN-結合型の糖鎖修飾がなされていることが明らかとなった。ルミカンにN-結合型糖鎖修飾が付加される部位は、遺伝子配列の解析により4カ所あることが解明されているため、その4カ所の部位の糖鎖修飾阻害による膵臓癌細胞の増殖抑制の可能性が考えられた。
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[Journal Article] Comparison of fixation methods for preservation of morphology, RNAs, and proteins from paraffin-embedded human cancer cell-implanted mouse models.2011
Author(s)
Matsuda Y, Fujii T, Suzuki T, Yamahatsu K, Kawahara K, Teduka K, Kawamoto Y, Yamamoto T, Ishiwata T, Naito Z.
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Journal Title
J Histochem Cytochem.
Volume: 59
Pages: 68-75
Peer Reviewed
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[Presentation] Lumican, a member of small leucine-rich proteoglycan family, as a new target to develop molecularly-targeted drug for pancreatic cancer2010
Author(s)
T.Yamamoto, T.Ishiwata, Y.Matsuda, M.Onda, K.Yamahatsu, K.Kawahara, Y.Kawamoto, E.Uchida, Z.Naito
Organizer
American association for cancer research, 101th annual meeting 2010
Place of Presentation
米国・ワシントン
Year and Date
2010-04-19