2011 Fiscal Year Annual Research Report
心房細動・心筋焼灼術の心臓交感神経機能の評価とテーラーメイド治療への応用
Project/Area Number |
22790683
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
有本 貴範 山形大学, 医学部, 助教 (80400547)
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Keywords | 心臓MIBG / 心房細動 / 心筋焼灼術 / 心臓交感神経 |
Research Abstract |
昨年に引き続いて検討を続け、最終的に88症例で論文を作成することができた。まず、「心房細動と心臓交感神経機能の関連を明らかにする」検討-Iでは、心臓MIBGの洗い出し率(WR)は、洞調律群と比較して心房細動症例で亢進しており、発作性心房細動よりも持続性心房細動で亢進が著明であった。1)心房細動では心臓交感神経機能が亢進していること、2)疾患の進行と共に心臓交感神経機能が亢進することが示唆された。本検討では、心機能が低下している症例を含んでおらず、心房細動そのものが心臓交感神経機能亢進に影響していることを初めて示す結果となった。「心臓交感神経機能と慢性期の心房細動の再発との関連を明らかにする」検討-IVでは、平均13.5ヶ月の経過観察が可能だった。WR〓25.1%では心房細動の再発が有意に多く、WRが1SD(7.7%)亢進すると再発の危険性が1.6倍になることが判明した。アブレーション術前に、心臓交感神経の亢進を認める症例では、術後の抗不整脈薬を継続するなど、厳重な管理が必要であることが示唆された。なお心筋焼灼術は、心臓自律神経に影響しないことも確認できたため(検討-II)論文中に記載した。 また「心筋焼灼術後の早期再発と薬剤の効果についての検討」を継続している。早期再発群では有意に心臓交感神経機能が亢進(再発ありvs.なし:32.7±5.8%vs.26.3±8.1%,P=0.02)していることが確認できた。現在、術後にベータ遮断薬を予防投与する群と、プラセボを投与する群で急性期再発、術後管理に差がないか検討を継続している。
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