2010 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析を用いた新規生理活性物質による新しい心血管病態機構の解明
Project/Area Number |
22790692
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相澤 健一 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (70436484)
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Keywords | 循環器・高血圧 / ストレス / 蛋白質 / プロテオーム |
Research Abstract |
質量分析技術を用いて心血管領域の新規生理活性物質を単離・同定する。また、病態における機能を明らかにし、さらに診断・治療への応用展開を図る。まず、血液等サンプルの前処理を通して目的となる物質を濃縮、分画化する最適法を検討する。これら解析法を開発・確立したうえで、ディファレンシャルプロテオミクス法を中心に、心血管疾患の病態を反映する蛋白質因子を同定する。さらに、イムノ・マス法を用いた生理活性ペプチドの質的変化の検出も行う。方法論を確立した上で、実際の心血管疾患(虚血性心疾患、心不全等)患者の血液サンプルについて検討し、蛋白質の同定を同時に行う。本解析方法を用いて、心血管細胞全般を包括的に解析するとともに臨床検体での解析も実施し、測定法の臨床的有用性についてまで検証する計画である。 まず、生理活性物資の単離・同定がもっとも重要な課題である。生理活性を指標に精製、純化を進める研究アプローチとは異なり、微量サンプルから病態特異的な蛋白質ないしペプチドの単離が目的となる。実際には、生理活性物質の単離よりも生理活性を有さないバイオマーカーの候補となる因子を単離する可能性が高い。質量分析計は質量を測定するため、従来は検出しにくかった部分蛋白質の検出に適している。活性を中心とした精製を基準としてきた従来の精製はオーソドックスなアプローチであるが、このように質量分析を通して今までには検出できなかった因子の発見に期待したい。既知の生理活性物質が単離された場合は、機能解析を進めるが、フラグメント因子については、リコンビナントを作製し、心血管細胞ないし病態モデルへ導入して、機能を解析する。 平成22年度は診断バイオマーカー候補について、臨床的検討を行った。心血管疾患を中心に臨床試料で検討した。狭心症、心筋梗塞を中心とする虚血性心疾患ならびに心不全等の患者試料(血液)で検討した。
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Research Products
(6 results)