2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790697
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
薄井 荘一郎 金沢大学, 附属病院, 助教 (50507043)
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Keywords | 循環器・高血圧 / シグナル伝達 / タンパク品質管理機構 / 遺伝子 / 心不全 / 心肥大 / 心臓リモデリング / 心臓リモデリング |
Research Abstract |
本年度は、骨格筋のサイズを制御する筋特異的ユビキチン連結酵素MAFbxの心臓リモデリングにおける役割を明らかにすることを目的に研究を進めた。心不全病態形成における心臓リモデリングの進展には、心肥大形成が重要な初期応答と考えられている。心肥大形成のため、マウスを用いて圧負荷モデル(大動脈縮窄モデル、イソプロテレノール持続投与モデル)、容量負荷モデル(心筋梗塞モデル)を作成した。野生型マウスにそれぞれの負荷モデルを作成し、組織学的検討を行ったところ、負荷により心筋細胞肥大が作成されていることを確認した。圧負荷により誘導される心筋肥大形成における、内因性のMAFbxの役割を検討するために、MAFbx欠損マウスにイソプロテレノール持続投与モデルを作成した。イソプロテレノール投与により、野生型マウスとMAFbx欠損マウス間での、心拍数および体血圧に有意差は確認できなかった。この結果からMAFb欠損マウスにおいて、イソプロテレノールに対する心拍数増強作用および陽性変力作用は保たれていると考えられる。イソプロテレノール投与後、1週間にて野生型マウスでは有意に左心室重量が増加したが、MAFbx欠損マウスではその増加が抑制された。同様の傾向は、左心室心筋断面積の検討でも示された。胎児遺伝子ANPの発現レベルも、野生型マウスではイソプロテレノール投与により増加したが、MAFbx欠損マウスで増加抑制が見られた。以上の検討から、ユビキチン連結酵素MAFbxの制御が、圧負荷に伴う心臓リモデリングに対して新たな介入点となる可能性が示唆された。
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