2010 Fiscal Year Annual Research Report
Wnt11による心保護メカニズムの解明と治療応用技術の開発
Project/Area Number |
22790698
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 光一 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20567010)
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Keywords | アデノ関連ウイルス(AAV) / AAV9-wnt11 / wnt11産生HEK293細胞 / Raw細胞 |
Research Abstract |
【アデノ関連ウイルスの作成】 アデノ関連ウイルス(AAV9)作成に必要なカプシド蛋白作成プラスミドをアメリカ、ペンシルバニア大学よりMaterials Transfer Agreement手続きの後に提供いただく。市販のAAV2作成キットと併用することでAAV9-LacZとAAV9-wnt11の大量産生に成功する。マウス実験での投与量設定のため様々な量のAAV9-LacZウイルスをマウスに投与し容量設定を試みた。5x10^<11>genome copy (GC)の静脈投与で心臓での十分な発現が認められた。続いて投与後の遺伝子発現の時間経過と心臓以外の臓器での発現を確認した。投与後1週より明らかな発現がはじまり、2カ月間の経過中強い発現の継続をみた。現在AAV9-wnt11によるマウス心での蛋白産生の確認作業を進めている。同時に細胞実験での使用も考え、AAV2-hrGFP、AAV2-wnt11も作成している。 【wnt11による抗炎症作用に関わる細胞実験】 活性型Wnt11タンパクを得るため、EF6プロモーターをもつプラスミドにwnt11遺伝子を挿入した。そのプラスミドを蛋白産生効率のよいHEK293細胞に遺伝子導入し、293細胞の染色体に安定して導入されたクローンを回収し現在増殖させている。Wnt11の蛋白発現を確認できたクローンを利用する予定にしている。またマクロファージ系細胞であるRaw細胞を利用しLPS(大腸菌リポ多糖)で炎症を誘導し、転写因子であるNF-κBの活性化、JNKリン酸化、炎症性因子の発現の亢進を確認した。上記のwnt11タンパク発現細胞が準備できしだいこれらのアッセイでその効果を調べる予定である。
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