2010 Fiscal Year Annual Research Report
受動運動による骨格筋由来因子を介した血管新生メカニズムの解明
Project/Area Number |
22790711
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
泉家 康宏 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (10515414)
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Keywords | 受動運動 / 骨格筋 / 分泌因子 / 血管新生 |
Research Abstract |
1.閉塞性動脈硬化症患者に対する受動運動による血流改善効果の検討:全身加速ベッドにより閉塞性動脈硬化症患者の急性期のABIは有意に改善した.マウス下肢虚血モデルではWBPAによりコントロール群と比較して著明な血流改善を認め,組織学的検討により微小血管レベルでの血管新生も増加していることが確認された.虚血肢においてWBPA終了後急性期のeNOSの活性化を認め,WBPAによる血流改善はeNOSノックあとマウスでは認められなかった. 2.WBPAにより骨格筋より分泌される血管新生因子のスクリーニング:既知の血管新生因子であるVEGF, bFGF, SDF-1の骨格筋での発現はWBPAにより著明に増加した.次にWBPAによる虚血肢の遺伝子発変化をマイクロアレイにて網羅的に解析したところ,いくつかの新規代謝調節因子の候補をリストアップすることができた.その中のひとつmuscle-derived factor 1 (MDF-1)のタンパク発現はWBPAにより骨格筋で著明に増加し,それに伴い血中濃度も有意な増加を認めた.下肢虚血手術を施行したマウスの骨格筋にアデノウイルスベクター用いてMDF-1を遺伝子導入することにより,骨格筋でのAktとeNOSの活性化を認め,レーザードップラーでの血流改善及び組織学的にCD31陽性細胞の増加を認めた.アデノウイルスベクター用いてMDF-1を培養血管内皮細胞で過剰発現すると,血管内皮細胞の遊走・分化を促進し,血清除去によるアポトーシスを著明に抑制した.MDF-1は受動運動により骨格筋より分泌される新規血管新生因子となりうる可能性があると考えられた.
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Research Products
(5 results)