2011 Fiscal Year Annual Research Report
心ファブリー病患者人工多能性幹細胞を用いた心臓特異的病態の解明
Project/Area Number |
22790716
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉満 誠 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特任助教 (70404530)
|
Keywords | iPS細胞 / Fabry病 / 心Fabry病 |
Research Abstract |
まず正常ヒト皮膚線維芽細胞よりiPS細胞を樹立することを試みた。ヒトES細胞様で、アルカリフォスファターゼ染色陽性となる細胞を樹立することができた。当講座では、比較的稀な疾患とされる心Fabryを含むFabry病患者の酵素補充療法を含めた診療を日常的に行っている。課題名"ファブリー病及び心ファブリー患者由来細胞からのiPS細胞の樹立、iPS細胞を用いたファブリー病の病態解明・細胞/遺伝子治療法の確立"で鹿児島大学臨床倫理審査申請を行い、承認を得た。また遺伝子組み換え技術を用いるため第二種使用等拡散防止措置機関承認を得た。上記倫理委員会承認後、これまで高齢者心Fabry病患者1名より同意を得た後、皮膚生検を行い、皮膚線維芽細胞を樹立できた。FabryiPS細胞の樹立にあたり、ヒトOct3/4,Sox2,c-Myc,Klf4 cDNAをレトロウイルスベクターを用いて導入した。遺伝子導入効率確認のために用いたGFP発現を確認した。GFP発現効率は30%程度と、正常ヒト皮膚線維芽細胞での発現効率(~80%)と比較し著しく低下していた。心Fabry病発症患者は高齢であることが多く、皮膚線維芽細胞増殖能も低下していることが多い。本症例でも増殖能の低下が遺伝子導入効率の低下を招いていると考えられる。本細胞を用いて心Fabry iPS細胞の樹立を試みたが、樹立できなかった。近年iPSの樹立にあたり、樹立効率を改善するさまざまな試薬が試みられている。PD0325901,CHIR99021,Thiazovivin,SB431542を組み合わせて樹立を試みたが樹立できなかった。さらにはレンチウイルスベクターを用いてp53の発現をノックダウンすることで樹立効率の改善を試みたが、樹立することができなかった。
|
Research Products
(1 results)