2010 Fiscal Year Annual Research Report
腎不全における可溶性Flt-1の動脈硬化制御機序の解明
Project/Area Number |
22790722
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
竹田 征治 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (60398443)
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Keywords | 可溶性Flt-1 / 腎不全 / 動脈硬化 / マクロファージ |
Research Abstract |
われわれは最近、腎不全患者における可溶性Flt-1が動脈硬化病変の増悪に寄与しており、可溶性Flt-1の投与で改善しうることを発見した。この研究における次なる課題は、(1)腎不全患者において可溶性Flt-1の分泌を制御している因子はなにであるのか、(2)可溶性Flt-1の低下がどのような機序で動脈硬化進展に寄与しているのか、(3)臨床応用に向けて最適なFlt-1の投与条件の検討である。今回の研究にて、動物モデルを用いて腎不全患者で可溶性Flt-1が低下する機序、可溶性Flt-1が動脈硬化病変を制御している機序を検討することにより、腎不全における動脈硬化進展機序の解明をめざす。われわれは腎不全における可溶性Flt-1の低下がどのような機序で動脈硬化に影響しているのかを検討するために可溶性Flt-1ノックアウトマウスを作成し、その解析を行っている。まず、可溶性FLt-1が実際に血中で低下していることを示し、また、同マウスでは心臓、筋肉の組織検討で、CD31陽性血管やaSMA陽性血管数が増加傾向にあることを認めた。これらのことは同マウスで胎盤由来増殖因子(PlGF)やVEGF(血管内皮増殖因子)の作用が亢進していることを意味する。われわれはさらに、同マウスの腹腔内マクロファージと比重遠心法により分離された血中モノサイトをRT-PCRで動脈硬化性に働くM1マクロファージあるいは、抗動脈硬化性に働くM2マクロファージのどちらに形質変化をしているのかをpro-atherogenicな遺伝子であるiNOS、IL1b、TNFa、IL12、CXCL9、CXCL10、CXCL11の発現あるいはanti-atherogenicなArginase、CCR2、CCL22、CCL17、IL10を検討している。
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Research Products
(2 results)