2011 Fiscal Year Annual Research Report
CD271陽性骨髄間葉系幹細胞を用いた血管新生療法の開発
Project/Area Number |
22790732
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
礒 良崇 昭和大学, 医学部, 助教 (60384244)
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Keywords | 骨髄間葉系幹細胞 / 血管新生 / 末梢動脈疾患 / エリスロポエチン / CD271 |
Research Abstract |
細胞移植による血管再生治療を発展させるため、本研究では、骨髄間葉系幹細胞(MSC: mesenchymal stem cell)に注目し、MSCおよび同細胞とエリスロポエチン製剤を併用による新規血管新生治療の開発を目的とした。 結果;(1)虚血性心筋症モデルにMSCを投与すると、血管細胞分化と血管新生因子の分泌により血管新生が強く誘導され、心機能が保持されることを明らかにした。(2)以前にCD271が骨髄MSCの特異的表面抗原であることを、我々を含めいくつかのグループから報告したが、本研究においては、そのCD271発現で選択的に純化・採取したMSCの向血管新生能を検討した。ヒトCD271陽性MSCは、至適培養条件で血管細胞に分化すること、その馴化培地は血管新生因子を含み急性心筋梗塞モデルへの投与で梗塞巣での血管新生を誘導することなどを明らかにした。(3)培養下で骨髄MSCにエリスロポエチンを添加すると、増殖能とともに血管増殖因子発現が増強することがわかった。エリスロポエチンによりプレコンディショニングされたMSC虚血下肢モデルに投与すると、通常のMSC投与と比べて、有意な血流回復が認められた。(4)本研究の副所見として、エリスロポエチンが骨格筋MSCを活性化することも明らかになった。 まとめ:本研究により、MSCは血管新生治療の発展にとって有用な細胞源であることが明らかとなった。CD271発現で選択的に純化したMSCの向血管新生能や心血管病への関与を初めて報告した。エリスロポエチンが、血管新生能を含めMSCを活性化することが認められた。
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