2010 Fiscal Year Annual Research Report
心不全における炎症のメカニズム解明(12リポキシゲナーゼとアルドステロンの検討)
Project/Area Number |
22790733
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
香山 洋介 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (40507232)
|
Keywords | 12-リポキシゲナーゼ / アルドステロン / 心不全 / 糖尿病性心筋症 |
Research Abstract |
心不全において炎症が関与することが知られており、そのメカニズムにアルドステロンや12-リポキシゲナーゼの関与の解明を本研究の目的とした。 心不全における組織アルドステロン合成と12リポキシゲナーゼの関連の検討 ・12リポキシゲナーゼと組織アルドステロン合成の関係をin vivoで検証するため、12(s)HETE(12リポキシゲナーゼ代謝産物)を様々な濃度(10^<-6-8>M)で新生児ラット初代培養心筋細胞及び線維芽細胞に投与し、アルドステロン合成(CYP11B2)をRT-PCRで確認した。その結果線維芽細胞では約1.3倍と軽度の発現上昇見られたが、心筋細胞においては上昇が見られなかった。ELISAによる蛋白測定においても同様の結果であった。 心筋細胞における12リポキシゲナーゼの発現調節、活性化の機序 心筋細胞における12リポキシゲナーゼの発現を再確認するために、高血糖負荷をかけて発現を確認したところ約2倍強のRNA levelでの発現の上昇を認めた。さらに、炎症系マーカーの発現を確認したところTNF-α,MCP-1,IL-6の上昇認めた。次に12-リポキシゲナーゼの阻害薬(CDC)を使用し上流をブロックしたところ、12-リポキシゲナーゼと相関があったのはTNF-αとMCP-1であった。 ・次にin vivoにおいてストレプトゾトシン(STZ)誘発の糖尿病性心筋症モデルを使用し、12-リポキシゲナーゼノックアウトマウスと比較検討した。野生型マウスにSTZ投与し、高血糖マウス作成し心エコーで心機能を経過観察すると、投与後8週後から徐々に収縮能の低下がみられた。STZ投与の心臓における12-リポキシゲナーゼの発現を確認したところ、投与後4週過ぎから有意に発現の上昇認め、同じくTNF-αやMCP-1の上昇も見られた。今後ノックアウトマウスの検証を進める予定である。
|