2011 Fiscal Year Annual Research Report
心不全における炎症のメカニズム解明(12リポキシゲナーゼとアルドステロンの検討)
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22790733
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
香山 洋介 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (40507232)
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Keywords | 心不全 / 炎症 / 12-リポキシゲナーゼ / 糖尿病 |
Research Abstract |
1.研究の目的 我々は以前、高血圧心から心不全への発症進展にアラキドン酸12-リポキシゲナーゼ(12LO)が関与することを報告した(1)。今回我々は12LOの糖尿病性心筋症に対する作用の解明を本研究の目的とし炎症系マーカーとの関連も検討した.(1)Kayama et.al,J Exp Med 2009;206:1565 2.(1)糖尿病性心筋症におけるアラキドン酸12LOと炎症系サイトカインに関する検討 まず野生型マウスにストレプトゾトシン(STZ)を投与し、高血糖誘発糖尿病性心筋症モデルを作成し、コントロールマウスと比較検討した。その結果、STZ誘発糖尿病性心筋症マウスの心臓では12LO及びTNF-aの発現が有意に上昇していた。またSTZ投与後4週で心筋組織内の酸化ストレスが増加し、16週後に心機能低下を認めたが、STZ投与後の12LOノックアウトマウスでは酸化ストレスの増加は見られず、心機能も維持された。次にTNF-aの発現と12LOの関与を調べるために心筋細胞に高血糖刺激450mg/d1負荷を与え、12LO及びTNF-aの発現を確認したところ、心筋細胞において両分子の発現が有意に上昇し、12リポキシゲナーゼ阻害剤の投与でTNF-aの発現が切れた。今後さらに詳細なメカニズムを更に追及していく予定である。 (2)EPA(エイコサペンタエン酸)の心臓における抗炎症効果の検討 我々はEPAに注目し、STZ誘発心筋症モデル及び12LO心筋特異的高発現マウスにEPAを投与し、その効果を見ている。今後経時的心機能評価を含め心臓内MCP-1やNFkBの発現を投与群、非投与群で比較検討する。 3.まとめ抗酸化剤のin vivoデータ解析及びNFkBとの関与に対する実験終了後、更に国際学会で発表及び論文化していく予定である。
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