2010 Fiscal Year Annual Research Report
白血球による糖ヌクレオチド解析を基盤としたCOPD発症機構の解明
Project/Area Number |
22790755
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高宮 里奈 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員(常勤) (70365419)
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Keywords | 酸化ストレス / 糖鎖 / マクロフィージ / SOD-1 |
Research Abstract |
ヒト好中球、マウスマクロファージ細胞株(RAW264.7)を用いたタバコ煙抽出液(CSE)、アクロレインによる糖鎖修飾変化の解析、及び抗酸化酵素(スーパーオキサイドジスムターゼ(SOD-1))欠損マウスマクロファージを用いた糖鎖修飾解析を中心に行った。E_4-PHAによるレクチンプロットより、CSEやアクロレインを添加したRAW264.7細胞では、bisecting GlcNAc修飾された多数のタンパクの増加が認められ、この変化はわずか30分で起こっていた。また、ヒト好中球を用いた実験においてもCSEの添加によりBisecting GlcNAc修飾されたタンパクの増加が認められた。また、他の糖鎖修飾についても検討を行ったところ、AOLによるレクチンプロットにおいても、CSEやアクロレインの添加によりcore fucoseをもったタンパクの増加が認められた。一方、SSAやL_4PHAにレクチンプロットにより、α-2, 6-sialic acidやβ-1, 6-GlcNAcには顕著な変化は認められなかった。次に慢性的な酸化ストレスに対する糖鎖修飾の変化を検討するためSOD-1欠損マウスを用いた実験を行った。腹腔マクロファージを採取し、糖鎖修飾変化をレクチンプロットにより解析を行なった。SOD-1欠損マウス腹腔マクロファージでは、CSEを添加したマクロファージと同様に野生型に比べてbisecting GlcNAcやcore fucose修飾されたタンパクの増加が認められた。また、マウス肺組織全体においても、野生型に比べてSOD-1欠損マウスでは、Bisecting GlcNAc修飾されたタンパクの増加が認められたが、β-1,4-N-アセチルグルコサミン糖転移酵素(GnTIII)の酵素活性は、野生型と比べ有意な差は認められなかった。
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