2011 Fiscal Year Annual Research Report
白血球による糖ヌクレオチド解析を基盤としたCOPD発症機構の解明
Project/Area Number |
22790755
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高宮 里奈 独立行政法人理化学研究所, 糖鎖認識研究チーム, 基幹研究所研究員 (70365419)
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Keywords | SOD1 / 酸化ストレス / マクロファージ |
Research Abstract |
前年度の検討より、慢性的な酸化ストレスを起こしている銅、亜鉛-スーパーオキサイドジスムターゼ(SOD-1)欠損マウス腹腔マクロファージでは、タバコ抽出液を添加したマクロファージと同様に、bisecting GlcNAcやcore fucose修飾されたタンパクの増加が認められた。そこで、糖鎖修飾の変化による、マクロファージ機能への影響について解析を行なった。内毒素(LPS)を添加すると、マクロファージは、活性化され、細胞骨格(アクチン)が変化する事は良く知られている。そこで、LPS刺激によるアクチン骨格変化について検討を行なった。SOD-1欠損マウスマクロファージでは、LPS刺激をしても、アクチン骨格に変化が認められなかった。そして次に、マクロファージの機能に影響が起きているか検討をおこなうため、マクロファージ貧食能に着目し、大腸菌(E-Coli)の取り込みについて検討を行った。その結果、sOD-1欠損マウスマクロファージでは、E-Coliの取り込みが野生型のおよそ、半分にまで低下していた。また、一方で、SOD-1欠損マウスマクロファージでは、種々の酸化ストレスにより誘導される事が知られている、ヘムオキシゲナーゼ(HO)-1の発現が亢進していた。これらの結果は、SOD-1欠損マウスマクロファージでは、酸化ストレスがかかり、それにより細胞機能に異常を齎していることが分かった。来年度は、糖鎖機能の変化とこの異常が関係するのか、また酸化ストレスの軽減により、機能を回復させる事が出来るかという事について研究を行って行きたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
慢性的な酸化ストレスによる糖鎖付加の異常から、マクロファージの機能異常につなげられた事は評価できると思う。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、タバコ煙やSOD1欠損による酸化ストレスの軽減により、機能が回復するか、糖鎖付加への影響が改善されるかということについて、検討を行って行く予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Carbon black nanoparticles enhance bleomycin-induced lung inflammatory and fibrotic changes in mice2011
Author(s)
Kamata H, Tasaka S, Inoue K, Miyamoto K, Nakano Y, Shinoda H, Kimizuka Y, Fujiwara H, Ishii M, Hasegawa N, Takamiya R, Fujishima S, Takano H, Ishizaka A,
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Journal Title
Exp Biol Med (Maywood)
Volume: 236
Pages: 315-324
Peer Reviewed
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