2012 Fiscal Year Annual Research Report
白血球による糖ヌクレオチド解析を基盤としたCOPD発症機構の解明
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22790755
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高宮 里奈 独立行政法人理化学研究所, その他部局等, 研究員 (70365419)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 脂質メディエーター / マクロファージ / COPD |
Research Abstract |
抗炎症性脂質メディエーター、レゾルビンE1(RvE1)がタバコ煙曝露によるマクロファージ機能低下に効果があるか検討を行い、COPDの新規治療薬としての可能性について検討を行う事を目的とした。マクロファージ細胞株 (RAW264.7)にタバコ抽出液(CSE)、及びタバコ煙成分の一つで、非常に反応性の高いジカルボニル化合物であるアクロレイン(ACR)を添加した後、ファロイジンで染色による細胞化学的検討より、アクチン染色を行った。CSEやACRの添加により、細胞突起が短くなり、縮小している細胞が多数認められたが、RvE1(10 nM)の前処置により、この骨格変化は改善された。次に貪食能について、CSEおよびACRで処理したRAW264.7細胞に、FITC標識した大腸菌を添加し検討を行なった。CSEおよびACRで処理によりRAW264.7細胞の貪食能は通常の50%まで低下していたが、RvE1(10-100nM)の前処理により、貪食能が改善された。CSEの添加は、NADPH-oxidase(NOX)2を介したマクロファージ内の活性酸素種の産生を亢進する事が知られているが、RvE1の前処理により、NOX2による活性酸素種の亢進が抑制され、細胞内の活性酸素種の産生も改善された。また、CSE曝露により引き起こされるマクロファージの細胞死もRvE1の添加により抑制された。以上の結果よりRvE1は、タバコ煙曝露によるマクロファージ内の活性酸素の産生を抑制する事により、マクロファージの機能を回復させ、COPDのこれまでにない新しいタイプの創薬となる可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)