2010 Fiscal Year Annual Research Report
レジオネラ感染症に対する肺コレクチンの生体防御機構解明と臨床応用
Project/Area Number |
22790764
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
有木 茂 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80464478)
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Keywords | 自然免疫 / 肺コレクチン / レジオネラ |
Research Abstract |
肺コレクチンは、肺胞-気道表面を覆っている肺サーファクタント中に含まれる生体防御レクチンであり、呼吸器における生体防御において中心的な役割を担っている。これまでの研究で、肺コレクチンはレジオネラ菌の細胞内増殖を抑制することが明らかとなっていたが、その分子メカニズムは不明であった。本研究課題では肺コレクチンによるレジオネラ菌の細胞内増殖抑制の分子メカニズム解明を目的に研究を行なった。レジオネラ菌等の細胞内寄生細菌に対する生体防御機構として、オートファジーが重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある。肺コレクチンはレジオネラ菌の細胞内増殖を抑制することから、肺コレクチン存在下でレジオネラ菌が感染した細胞内では、オートファジーが促進されているのではないかと考えた。そこで、レジオネラ菌を感染させたマクロファージ内で起こっているオートファジーを、オートファジーのマーカー蛋白質であるLC3の免疫染色およびウエスタンブロッティングにより解析した。その結果、予想に反して肺コレクチン存在下でレジオネラ菌を感染させた細胞内ではオートファジーが抑制されていた。このことは、肺コレクチンが既知の生体防御機構とは全く異なるメカニズムでレジオネラ菌の排除を行なっている可能性があることを示している。この現象に関与する分子基盤を明確にすることができれば、肺コレクチンの臨床応用や、これまでのものとは全く異なる発想に基づいた創薬に発展することが期待される。
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Research Products
(3 results)