2011 Fiscal Year Annual Research Report
喘息に特異的な肺胞マクロファージのポピュレーションにおける補助シグナル分子の役割
Project/Area Number |
22790768
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
原田 紀宏 順天堂大学, 医学部, 助教 (10465065)
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Keywords | 肺胞マクロファージ / 喘息 / 補助シグナル分子 |
Research Abstract |
喘息においては、気道構成細胞、T細胞、好酸球などの浸潤細胞が複雑に関与し合う。気管支肺胞洗浄液中の大多数を占める肺胞マクロファージ(AM)も含まれるが、その解析は十分ではない。マクロファージには、複数のポピュレーションが報告されており、細菌や死細胞を貪食する古典的活性化マクロファージ(M1)やIL-4、IL-13刺激下に誘導される選択的活性化マクロファージ(M2)などが該当するが、AMのポピュレーションの詳細については不明であった。本研究では、喘息モデルマウスとコントロールマウスのAMの比較を実施し、AMには、M2マーカーとなる分子の発現を認めるが、喘息モデルマウスのAMはコントロールと比べ、よりM2よりにシフトしている可能性が示唆された。一方、T細胞活性化には抗原提示細胞からの補助シグナルが必須であり、T細胞が持つ多様な機能は、多種の補助シグナル分子の介在により制御される。我々は、T細胞とAMを共培養した結果、AMはT細胞増殖を抑制している可能性を見出した。しかし、これに反して、同実験の培養上清中の種々のサイトカイン、ケモカインは増加しているため、現在、AMがT細胞に与える影響を詳細に解析中である。さらに、本研究では、AM上の補助シグナル分子の発現を解析し、コントロールマウスのAMでは認められない補助シグナル分子B7-DCの発現が喘息モデルマウスのAMで有意に亢進していることを見出した。B7-DCは、寄生虫感染や喘息におけるTh2反応に対して抑制的に働くと考えられている。AMのT細胞への影響とB7-DC発現の関与について解析中である。また、我々は、補助シグナル分子TIM4が喘息の病態形成に関与する可能性を既に見出しているが、TIM4のFc融合蛋白がAM上に結合することを新たに見出し、さらなる解析を実施している。
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