2011 Fiscal Year Annual Research Report
非小細胞肺癌におけるEGFRを標的としたナノ粒子によるオートファジー誘導療法
Project/Area Number |
22790770
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
横山 智央 東京医科大学, 医学部, 講師 (40408240)
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Keywords | 金ナノ粒子 / 非小細胞肺癌 / Drug Delivery System / 抗EGFR抗体 |
Research Abstract |
本研究では数種類の日本製ナノ粒子を作成し、EGFRの発現したNSCLC細胞(HCC827&Hl299)およびEGFR非発現のNSCLC細胞(H520)を用いて、その有効性および安定性について検討を行った。まず初めに、各金属gold、platinum、palladiumをanti-EGFR abで修飾したナノ粒子(50nm:株式会社ワインレッドケミカル:東京)、およびliposome内部にgoldを封入し、anti-EGFRabで修飾したナノ粒子(120nm:片山化学工業株式会社:大阪)を作成した。EGFRの発現したNSCLC細胞に各々ナノ粒子を添加し(anti-EGFR ab 2ng/ml)、72時間後に細胞増殖抑制効果を検討した所、platinumおよびgoldを内包したliposomeで強い細胞増殖抑制効果を認めた。一方、goldおよびpalladiumナノ粒子では細胞増殖抑制効果は軽度であった。しかしながら、platinumナノ粒子は、anti-EGFR ab修飾後の経過で不安定性を認め、再現性の結果を得る事が出来なかった。そのため、goldを内包したliposomeを用いて更なる検討を行った(以後EGFR-gold liposome)。EGFR-gold liposomeは、同濃度のanti-EGFR abと比べ強い細胞増殖抑制効果を認め、EGFR無発現NSCLC細胞においては、これらが軽度であった。更に、反射偏光顕微鏡を用いた検討では、EGFR-gold liposome添加(2ng/ml)48時間後には、EGFR発現したNSCLC細胞において細胞質内にgold粒子が取り込まれているのが確認された。その一方で、EGFR無発現NSCLC細胞においては、これらが確認されなかった。EGFRが発現したNSCLC細胞にanti-EGFR abを前投与し、その後EGFR-gold liposomeを添加するblocking studyでは、gold粒子の細胞内への取り込みが認められなかった。以上の結果より、EGFR-gold liposomeは非小細胞肺癌に対する診断・治療に有効である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、申請者がこれまで米国で行ってきた研究の延長であり、様々な国産ナノ粒子を作成し、非小細胞肺癌の診断・治療を目的とした研究を行ってきた。当初の予定通り研究を施行することが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の研究では、120nmサイズのナノ粒子を用いて行っているが、申請者の米国での研究では50nmサイズのナノ粒子が最も効率よく、診断・治療を行えると考えている。その為、可能な限り、50nmサイズのナノ粒子を作成できるようにナノ粒子作成業者と連携を取っていく必要がある。
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Research Products
(2 results)