2011 Fiscal Year Annual Research Report
難治性喘息におけるヘルパーメモリーT細胞の糖鎖性ホーミング分子異常発現機構
Project/Area Number |
22790774
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Research Institution | 愛知県がんセンター(研究所) |
Principal Investigator |
佐久間 圭一朗 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 主任研究員 (90402891)
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Keywords | ヘルパーメモリーT細胞 / ホーミング / 糖鎖 / 硫酸基転移酵素 / 転写 / 喘息 / アトピー性皮膚炎 |
Research Abstract |
1.前年度に続き、気管支喘息およびアトピー性皮膚炎患者の末梢血検体を収集・解析した。ヘルパーT(Th)細胞に特異的に発現する「硫酸化糖鎖性ホーミング分子」をフローサイトメーターで定量した。アトピー性皮膚炎患者の解析において、同分子の発現量は症状再燃性と有意に相関した。一方で、「硫酸化されていない糖鎖性ホーミング分子」の発現量は採血時の病勢と有意に相関した。さらに、硫酸化糖鎖性ホーミング分子の測定がアトピー性皮膚炎の高再燃患者群の検出に有効か、ROC曲線(Receiver Operatorating Characteristic curve)を用いて検証した。AUC(Area Under the Curve)は0.9以上の高値を示し、同検査の臨床的有用性が示唆された。 2.硫酸化糖鎖の合成に関与する6-硫酸基転移酵素の一つであるHEC-GlcNAc6STが、転写因子T-bet、GATA-3、Sp1によって発現調節されること、PKAによるGATA-3のリン酸化が必要であることを論文報告した。さらに、Th細胞におけるHEC-GlcNAc6STの硫酸化糖鎖合成能をJurkat細胞を用いて検証した。HEC-GlcNAc6STをノックダウンしたところ、最低でもひとつの硫酸化糖鎖構造の発現が減少し、HEC-GlcNAc6STを強制発現したところ同糖鎖の発現が増加した。興味深いことにこの硫酸化糖鎖構造は、B細胞特異的に発現するCD22分子に対するリガンドであることが知られている。以上の結果から、HEC-GlcNAc6STはTh細胞において硫酸化糖鎖性接着分子の合成に関与することが示された。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Colonic epithelial cells express specific ligands for mucosal macrophage immunosuppressive receptors siglec-7 and-92012
Author(s)
Miyazaki K, Sakuma K, Kawamura Y, Izawa M, Ohmori K, Mitsuki M, Yamaji T, Hashimoto Y, Suzuki A, Saito Y, Dohi T, Kannagi R.
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Journal Title
J Immunol
Volume: 188(9)
Pages: 4690-700
DOI
Peer Reviewed
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