2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本人型遺伝子変異によるシスチン尿症のペプチドミメティック薬治療に向けた基礎研究
Project/Area Number |
22790789
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永森 収志 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90467572)
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Keywords | トランスポーター / シスチン尿症 / 遺伝病 / ペプチドミメティック薬 / cell-free病態モデル |
Research Abstract |
シスチン尿症は、シスチンを腎尿細管から再吸収するトランスポーターBAT1/b^<0.+>AT(SLC7A9)-rBAT(SLC3A1)複合体の機能不全によりシスチンが多発性結石を形成し、重篤な腎機能障害に陥る常染色体劣性の疾患である。日本人の原因変異の約80%が、輸送活性を担うBAT1C末端領域の1アミノ酸残基置換P482Lである。研究代表者らは変異型C末端領域のみに結合するタンパク質HSP40hを同定した。この結合は病態発現に深く関与していることが示唆される。このタンパク質間相互作用を切断するペプチドミメティック(ペプチド模倣)薬による本疾患の治療へ繋げるために、結合の病態発現関与を証明し、結合様式の詳細を解析することを目的とした。HSP40hをノックダウンすると細胞の生育に著しく影響が見られ、HSP40hの発現量減少による輸送活性回復の効果は限定的にしか観察されない。そこでHSP40h結合がP482L変異型トランスポーターに及ぼす影響を詳細に解析するために、cell-free病態モデルの構築を進めた。P482L変異型トランスポーターを発現させた細胞から調整した膜小胞の基質結合活性は、野生型の膜小胞とほぼ同じであり、変異型トランスポーターの基質結合性には異常がないことが示唆される。よってP482L変異型の輸送活性低下は、トランスポーターの構造変化をHSP40hタンパク質が阻害することにより起きていると考えられる。また、マウスBAT1P482L変異体の輸送機能が、ヒトP482L変異体と同様に低下していることをアフリカツメガエル卵母細胞系を用いて明らかにした。この結果を基にin vivoモデルとしてP482L変異型トランスポーターノックインマウスを作成し、ノックインマウスの尿の詳細な解析を行っている。
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[Journal Article] A novel transporter of SLC22 family specifically transports prostaglandins and co-localizes with 15-hydroxyprostaglandin dehydrogenase in renal proximaltubules.2010
Author(s)
Shiraya K, Hirata T, Hatano R, Nagamori S, Wiriyasermkul P, Jutabha P, Matsubara M, Muto S, Tanaka H, Asano S, Anzai N, Endou H, Yamada A, Sakurai H, Kanai Y.
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Journal Title
J Biol Chem.
Volume: 285
Pages: 22141-22151
Peer Reviewed
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[Journal Article] Inhibition of L-type Amino Acid Transporter 1 Has Antitumor Activity in Non-small Cell Lung Cancer.2010
Author(s)
Imai H., Kaira K., Oriuchi N., Shimizu K., Tominaga H., Yanagitani N., Sunaga N., Ishizuka T., Nagamori S., Promchan K., Nakajima T., Yamamoto N., Mori M., Kanai Y.
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Journal Title
Anticancer Res
Volume: 30
Pages: 4819-4828
Peer Reviewed
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