2012 Fiscal Year Annual Research Report
再生医学による急性腎障害での尿細管再生への新規治療法の開発
Project/Area Number |
22790793
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
緒方 巧二 高知大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30527586)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 急性腎障害 / 腎尿細管細胞 / 腎再生 |
Research Abstract |
透析療法に至っている患者数は、全国で30万人を越え抜本的対策が急務である。本研究では、腎ネフロンのなかで、尿細管細胞の再生を検討することにより、腎機能の回復を目標とした。尿細管細胞の再生に関しては、申請者の教室の寺田典生を含めて3つの方向性の研究がなされている。一つは内因性の腎幹細胞の同定、第二には、腎再生因子(遺伝子)の研究、そして第三にはiPS(ES)細胞を用いた腎尿細管細胞への分化誘導である。これらの研究は密接に連係しており、申請者の教室の寺田らは多くの研究成果をあげているが、いまだ臨床へのフィードバックには至っていない。今回の申請でこれらの研究を更に総合的に突きすすめ、臨床へのフィードバックも視野に入れながら、尿細管の再生と腎機能の回復を目的とした。 腎の幹細胞の存在は、slow cycling cellなどの存在の報告があるが、明確な存在部位、特性は不明である。申請者の教室の寺田は急性腎不全の回復期に胎生期遺伝子Ets1, Wnt4, Delta-1が尿細管で再発現し、PCNA陽性の強い増殖能を示す幹細胞的な細胞の存在を世界に先駆けて、アメリカ腎臓学会誌などに報告した(JASN, 2003, 2005, Kidney Int 2007)。また最近申請者も急性腎障害時における尿細管細胞再生にHNF-1βが関与している可能性について報告した(AJP, 2012)。尿細管細胞に分化できる幹細胞を同定、培養することができれば、尿細管障害時の新規の細胞療法に結びつく可能性がある。申請者の教室はWnt4の遺伝子に蛍光タンパク質GFPを導入したマウスを作製している。このマウスの胎生後期のGFP陽性細胞あるいは、出生後に虚血性急性腎不全の回復期でのGFP陽性細胞を同定、回収することにより、腎尿細管幹細胞を同定、検出できると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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