2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790804
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
田中 裕一 順天堂大学, 医学部, 助教 (10420837)
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Keywords | IgA腎症 / 補体lectin pathway / Mannose-Binding-Lectin (MBL) / classical pathway / Clq / Alternative Pathway / grouped ddYマウス |
Research Abstract |
IgA腎症は、メサンギウム領域にIgAと補体C3の沈着を認める。補体系のIgA腎症の発症・進展における病的意義については、いまだ明確ではない。いくつかの報告はされており、例えば、IgA腎症患者ではLectin Pathwayの鍵を握る分子であるMannose-Binding-Lectin (MBL)のメサンギウム領域への沈着が報告されている(J Am Soc Nephrol. 2006、Nephrol Dial Transplant. 1998)。しかしながら、IgA腎症の発症・進展に関してどの補体経路がより重要なのかは全く不明である。このことを明らかにし、さらにIgA腎症の発症リスク、予後との関連を検討することは、将来的にIgA腎症患者の補体成分の測定から診断、重症度の予測や治療応用を考えるうえで非常に重要である。 基礎実験として我々が最近樹立したIgA腎症自然発症モデルマウス"grouped ddY mouse (gddY)"(J Am Soc Nephrol. 2005)における補体経路の関与を詳細に検討した。腎臓における各種補体成分の免疫染色を行った結果、このマウスではIgA・IgG2aがメサンギウム領域に共染色され、さらにMBL-A、-C、C4、C3およびMACも同様にメサンギウム領域に染色された。このことは、gddYでもヒトIgA腎症と同様に少なくともLectin Pathwayが活性化されていることを示唆している。さらに、gddYではClqも染色されているため、Classical Pathwayも同様に活性化している可能性が考えられた。血中多量体IgAおよびIgA-IgG免疫複合体の上昇を認め、これらによる両経路の活性化が腎障害の程度を着てしている可能性が考えられた。
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Research Products
(2 results)