2010 Fiscal Year Annual Research Report
Cajal小体に注目したALSの病態メカニズムの解明
Project/Area Number |
22790814
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
横関 明男 新潟大学, 脳研究所, 特任助教 (90515719)
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Keywords | TDP-43 / Cajal小体 / Coilin / ALS |
Research Abstract |
1.ALSの脊髄前角細胞のCajal小体減少に関与する因子の解析 ALS症例での脊髄前角細胞のCajal小体の数の検討について,Cajal小体のマーカー蛋白であるCoilinの免疫染色を実施して評価した.孤発性ALS5例,コントロール5例の脊髄前角細胞を比較した.ALS症例では,コントロールよりCajal小体の数が減少していた.多重ロジスティック解析を用いて,前角細胞の大きさ,ALSの有無,性別,年齢の項目について解析を実施したところ,細胞の大きさが大きいほどCajal小体数が増加すること,ALSの存在がCajal小体の数が減少すること,が分かった. 2.免疫沈降法を用いたTDP-43とcoilinの結合の検討 CoilinとTDP-43との直接の作用を確認するため,HeLa細胞を用いてcoilinとTDP-43との免疫沈降を実施した.TDP-43とcoilinの結合は認められなかった. 3.TDP-43の発現抑制による細胞死の検討 ALSの運動ニューロンでは,細胞質内にTDP-43陽性封入体を形成したニューロンの核内にはTDP-43の局在が消失する.そのためTDP-43の核内からの消失が直接細胞死に影響を与えているか否かを確認するため,HeLa, U87MG, SH-SY5Y細胞のTDP-43をsiRNAで発現を抑制し,死細胞由来プロテアーゼ活性を測定するCytoTox-Glot^<TM>Cytotoxicity Assay (Promega)を用いて解析した.siRNAによるTDP-43の発現抑制は,cytotoxicityに影響を与えないことが分かった.またカスパーゼ活性を検出するCaspase-Glo^<TM> Assay (Promega)を用いた解析でも,TDP-43の発現抑制によるアポトーシスの増加は確認できなかった.
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