2011 Fiscal Year Annual Research Report
抗ミッドカインRNAアプタマーによる実験的自己免疫性脳脊髄炎抑制機序の解明
Project/Area Number |
22790816
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
薗部 佳史 名古屋大学, 医学系研究科, COE特任助教 (20534845)
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Keywords | 多発性硬化症 / 神経免疫 / 制御性T細胞 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
本年度においては、はじめに、ミッドカインの機能を抑制するRNAアプタマーである抗ミッドカインRNAアプタマーを投与した実験的自己免疫性脳脊髄炎(Experimental autoimmune encephalomyelitis: EAE)マウスにおける制御性樹状細胞の動態について検討した。その結果、PBS投与群と比較して、RNAアプタマー投与群の所属リンパ節におけるCDIlc1。▼CD45RB^+樹状細胞の数及び制御性T細胞(Regulatory T cell: Treg)の数は有意に増加した。一方で、EAEの発症に関与するIFN-γ及びIL-17産生T細胞の数はRNAアプタマー投与群において有意に減少した。また、CD11c陽性細胞からtotal RNAを抽出後、IL-12p35、IL-12p40、IL-23p19のmRNAの発現についてRT-PCRにより検討したところ、RNAアプタマー投与群におけるIL-12p40 mRNAの発現量はPBS投与群と比較して有意に減少した。IL-12p35及びIL-23p19櫨NAの発現量は両群間で差は見られなかった。 次に、EAEにおけるミッドカイン産生細胞について検討したところ、マクロファージ、CD4及びCD8陽性T細胞がミッドカインを産生することが明らかとなった。さらに、CD4陽性T細胞サブセット(Th1、Th2、Th17、Th9、Treg)ごとにミッドカインの発現について検討したところ、Th1においてミッドカインの発現が最も誘導された。 したがって、CD4陽性T細胞などの炎症細胞により産生されたミッドカインは、制御性樹状細胞の分化の抑制を介してTregの分化を抑制し、EAEの臨床症状を悪化させることが明らかとなった。ミッドカインを抑制することが多発性硬化症をはじめとした自己免疫疾患の治療戦略として有効であることが示唆された。
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Research Products
(8 results)