2010 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症の病像・予後に関連する遺伝子的背景の探索・同定
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22790817
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
熱田 直樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90547457)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 一塩基多型 |
Research Abstract |
本研究の内容は、新規に診断された筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者連続例について、文書同意を得て登録し、臨床情報および遺伝子、血清、髄液検体の蓄積を行い、JaCALSデータベース、遺伝子検体を活用し、理化学研究所ゲノム医化学研究センターにおいて実施されたゲノムワイド一塩基多型(SNPs)タイピング結果を用いて、ALS患者病型や進行様式と関連候補遺伝子多型との関連を検証していくことである。既に、前向きの臨床情報把握を行うために、電話調査でALS患者の状態を評価できるシステムを構築し、その信頼性を検証して論文発表を行った。このシステムを用いて前向きの経過観察を実施している。また、312例について、既にSNPsのタイピングを進めており、臨床像との関連について解析を進めている。また、平行してALSの進行、病像と関連する臨床的指標の解析も進めている。既に、発症年齢が大きくALSの進行の速さに影響すること、ALSFRS-RというALSの重症度スケールの変化率と肺活量データの組み合わせが進行予測に有用であることを明らかにした。ALSの臨床像と関連のあるSNPsを定めることは、ALSの病態と関連する分子を同定することに繋がりうる。これまで、ALS患者と正常対象とを比較した解析は行われてきたが、ALS患者の中で進行の速い群と遅い群を比較するような解析は十分に行われてこなかった。進行に影響する分子を定めていくことは進行抑制薬を開発するための、直接的な標的を見付けることにつながる可能性がある。本研究においては今後、さらに多くの検体、臨床像の解析を行い、関連する分子を確認していく作業を進めていく予定である。
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Research Products
(3 results)