2010 Fiscal Year Annual Research Report
有痛性糖尿病性神経障害発症における中枢神経系疼痛抑制経路の役割
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22790818
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
真田 充 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (10418759)
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Keywords | 糖尿病性神経障害 / 中脳水道周囲灰白質 / パッチクランプ / 疼痛 / カリウムチャネル |
Research Abstract |
【研究の目的】有痛性糖尿病性神経障害は疼痛分類の中では、神経因性疼痛と呼ばれる慢性痛に相当する。神経因性終痛は国際疼痛学会で「神経系の一次的障害か機能障害により起こる疼痛」と定義されており、その発生には末梢神経に起因するものと、脊髄や上位中枢など中枢神経の変化に起因するものとがある。末梢神経系の検討は一定の研究成果を認めているが、もう一方の成因である中枢神経系由来の検討は殆ど報告されていない。本研究は有痛性糖尿病性神経障害の中枢神経系の新規発症機序の解明を目的とし、下行性痔痛抑制経路に位置している中脳水道周囲灰白質(PAG)の役割について電気生理学的に検討した内容である。 【研究の結果】平成22年度は、ラット中脳スライス標本作製からパッチクランプ法を用いた電気生理学的を実施:PAGにおける内向き整流性K^+チャネル電流の検出は可能であったが、現時点では有用な結果は得られていない。本年度は再度糖尿病および正常モデルラット由来の中脳スライス標本を安定して作成し、内向き整流性K^+チャネル電流の両群間の差異を詳細に検討する予定である。さらに血糖を中心とした糖尿病管理でPAG機能異常が是正されうるのか、および神経因性疼痛に奏功すると考えられている抗うつ薬・抗てんかん薬でこれら機能異常が是正されうるのか等、実地臨床にも即応用することが可能な治療薬の効果についても検討したいと考えている。 尚、他検体であるが単離マウス心筋細胞を用いた検討で、機能的K^+チャネル電流の検出に初めて成功し、学術報告を行った。
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Research Products
(1 results)