2011 Fiscal Year Annual Research Report
有痛性糖尿病性神経障害発症における中枢神経系疼痛抑制経路の役割
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22790818
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
真田 充 滋賀医科大学, 医学部, 客員講師 (10418759)
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Keywords | 糖尿病性神経障害 / 疼痛 / 内向き整流性K^+チャネル / 中脳水道周囲灰白質 |
Research Abstract |
有痛性糖尿病性神経障害は疼痛分類の中では神経因性疼痛と呼ばれる慢性痛に相当する。神経因性疼痛は国際疼痛学会で「神経系の一次的障害もしくは機能障害により起こる疼痛」と定義されており、その発生には末梢神経系に起因するものと、脊髄や上位中枢など中枢神経系の変化に起因するものとがある。現在まで末梢神経系の検討は一定の研究成果を認めているが、もう一方の成因である中枢神経系の検討は殆ど報告されていない。本研究は有痛性糖尿病性神経障害の中枢神経系の新規発症機序の解明を目的とし、下行性疼痛抑制経路に位置している中脳水道周囲灰白質(PAG)の役割について電気生理学的に検討した内容である。 平成23年度は前年度と同様、ラット中脳スライス標本作製からパッチクランプ法を用いた電気生理学的を実施:PAGにおける内向き整流性K^+チャネル電流の検討を行った。その結果、本年度内にストレプトゾシン誘発性糖尿病モデルラットおよび正常モデルラット間の差異を検出することは困難であった。現在疾患モデル動物間のみでの検討は困難であると考え、糖尿病性神経障害の成因に関与しているサイトカインの一種であるTNF-αとK^+チャネル電流間の検討を考慮している。尚、本研究実施期間中にTNF-αの不活性化が疼痛を含めた糖尿病性神経障害の治療において極めて重要であるとする学術報告を発表し、同時に末梢神経系の一次求心性線維の細胞体が存在する脊髄後根神経節神経細胞におけるTNF-αのK^+チャネルに及ぼす影響も確認している。
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Research Products
(1 results)