2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳梗塞時の虚血傷害部位に発現するlaminin alpha1の機能的意義の解明
Project/Area Number |
22790830
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
冨川 直樹 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (80468587)
|
Keywords | 脳梗塞モデル / laminin / 細胞外マトリックス / 脳髄膜 |
Research Abstract |
マウス中脳大動脈を一時遮断する虚血再灌流法を行ない、虚血再灌流後の経時的なlaminin alpha1の発現変化を免疫染色法により検討した。その結果、他のlaminin alpha鎖と異なり、laminin alpha1は24時間後から7日後まで持続的に傷害野に発現することが明らかになった。また、脳髄膜を構成する細胞群の分散培養により、laminin alpha1を発現する細胞種の同定を行なった結果、脳髄膜fibroblastとマクロファージ/ミクログリア、血管内皮細胞がlaminin alpha1を発現していることを明らかにした。しかしながら、虚血によって傷害が起こる過程での検討はしていない。今後、虚血再灌流後6、12時間後におけるlaminin alpha1発現の有無や病態との関連性を検討していく予定である。次に、申請者らが作製したlaminin alpha1 cKOマウスの脳に異常がないかを検討した。その結果、顕著な小脳の発達障害が認められた。これは、グリア細胞やプルキンエ細胞の形態異常、外顆粒神経前駆細胞の増殖低下、髄膜の構造異常が原因であることを明らかにした。大脳においては、顕著な異常が認められなかったことから、今後はlaminin alpha1 cKOマウスに脳梗塞モデルを作成し、神経傷害と神経再生過程にlaminin alpha1が関与しているかを明らかにする。更に、脳梗塞モデルの病態に対する他の細胞外マトリックス分子について検討した結果、細胞外マトリックス分子perlecanとlamininの主要な受容体であるintegren β1が新生血管に発現することを明らかにした。今後、これらの分子が病態に関与しているかを検討する予定である。
|
Research Products
(5 results)