2010 Fiscal Year Annual Research Report
パーキン遺伝子異常による病態と放出機構の関係の検討
Project/Area Number |
22790832
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
江口 博人 順天堂大学, 助教 (20380868)
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Keywords | parkin / exocytosis / septin / diabetes |
Research Abstract |
研究代表者江口は予備検討にてparkinをknockdownしたPC12細胞においてカテコラミン分泌能が低下していることを指摘している。また、全反射顕微鏡(以下TIRFM)を用いることで、parkin欠損マウスの膵β細胞においてseptin5のfilament形成に伴う放出の第一相の低下を発見した。 平成22年度では、PC12細胞、MEF細胞において、parkin遺伝子の発現の有無により、細胞膜直下のseptin,またそれと結合するactinの形態、また、可溶性、不溶性化に有意な差を認めた。 septin5と放出の第一相に重要な、SNARE蛋白の一つであるsyntaxin1との結合を免疫沈降で評価したところ、parkin欠損mouseのbrainにてseptin5とsyntaxin1Aの結合の亢進が認められた。また、初代神経培養細胞にて神経終末の形態、septinの局在を検討したところ、parkin欠損mouseの初代培養皮質細胞にて神経終末の形態に変化を認めた。 parkin欠損マウスの膵β細胞にアデノ随伴ウイルス(AAV-parkin)を感染、強制発現させたところinsulin放出の第一相の低下、septin5のfilament形成がparkin遺伝子の発現によりrescueされた。 parkin欠損マウスにOGTTを施行したところ、野生型と比べ有意に血糖の上昇を認めた。 これらにより、septinの細胞膜直下におけるfilament形成、syntaxin1との結合による放出の阻害を、parkinは抑制していることが考えられた。この機序によりparkinの発現低下はdopamine、insulinの分泌阻害を来すと考えられる。また、parkin欠損マウスは耐糖能異常を来たすことが証明され、パーキンソン病と糖尿病の関係性が示唆された。
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