2011 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-1関連脊髄症(HAM)における新規病原性T細胞の発生機構に関する研究
Project/Area Number |
22790833
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
新谷 奈津美 聖マリアンナ医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80440353)
|
Keywords | HTLV-1 / HAM / Tax / IFN-γ |
Research Abstract |
本研究では、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)によって引き起こされるHTLV-1関連脊髄症(HAM)において、我々が新規に同定した炎症性サイトカインIFN-γを異常産生しHAM免疫病態を引き起こす原因細胞と想定されるHAM病原性T細胞(IFN-γ+CD4+CD25+CCR4+T細胞)のHTLV-1依存的な発生機構を明らかにし、HAM病態の理解に貢献することを目的とした。 これまでに、IFN-γの発現を直接誘導するTh1マスター転写因子T-betがHAM由来CD4+CD25+CCR4+T細胞においてTax依存的に発現誘導されることを見出した。また、T-betの遺伝子発現におけるTaxの作用機構の解析により、HTLV-1感染細胞株を用いた免疫沈降実験から内在性TaxとSp1の相互作用を確認し、TaxおよびSp1がT-betプロモーターにリクルートされていることを示した。また、Tbx21/T-betプロモーターを用いたルシフェラーゼアッセイからTaxがSp1依存的にTbx21/T-betプロモーター活性化し得ることを明らかにした。さらに、健常者CD4+CD25+CCR4+T細胞へのTax導入により、Tregの抑制機能の減弱を明らかにした。以上の結果から、HAMのHTLV-1感染細胞におけるTaxの発現は、T-betの転写活性化を介してIFN-γの発現を誘導することにより、炎症促進的なIFN-γ産生Th1様細胞への可塑的変化をもたらし、HAM病態形成に重要な役割を果たしていることが示唆された。また、HAM病変部である脊髄病理および髄液細胞における解析より、可塑的変化したHAM病因細胞の存在を確認し、実際にHAM病態形成に重要な役割を担っていることを示唆する結果を得た。
|
Research Products
(17 results)
-
-
[Journal Article] Overexpression of SPACIA1/SAAL1, a new gene that is involved in synoviocyte proliferation, accelerates the progression of synovitis in mice and humans2011
Author(s)
Sato T., Fujii R., Konomi K., Yagishita N., Aratani S., Araya N., Aono H., Yudoh K., Suzuki N., Beppu M., Yamano Y., Nishioka K., Nakajima T
-
Journal Title
Arthritis Rheum
Volume: 63(12)
Pages: 3833-3842
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-