2011 Fiscal Year Annual Research Report
ALS関連変異型SOD1の異常な蛋白質結合を介した毒性発揮機序の解析と応用検討
Project/Area Number |
22790838
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
株田 智弘 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所・疾病研究第四部, 室長 (70535765)
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Keywords | ALS / SOD1 / TDP-43 |
Research Abstract |
国内外の研究結果から、変異型SOD1毒性には他の蛋白質との異常結合が関与することが明らかになりつつある。以前我々は、変異型SOD1が本来結合しない多種類の細胞内蛋白質と結合することを報告した。また昨年度、変異型SOD1と多種類蛋白質との異常結合はSODIのN末端βシート領域1-23 aaを介していることを見出した。 本年度は変異型SOD1の異常な蛋白質結合を阻害する低分子化合物を取得するために、コンピューター・プログラムを用いたStructure-Based Drug Designを行った。すなわちG85R変異型SOD1の1-23 aa部分に結合する低分子化合物をスクリーニングした。ドッキングスコア上位11化合物中10化合物がin vitroで変異型SOD1の異常な蛋白質結合を阻害し、結合を強く阻害できる低分子化合物を3種類取得できた。この結果は、変異型SOD1の蛋白質結合が1-23アミノ酸を介していることを裏付けるものである。また、この方法はALS治療薬のリード化合物の探索に貢献すると考えられた。 神経変性疾患のモデル生物としてショウジョウバエは有用であるが、過剰発現したヒトSOD1の酵素活性が神経保護的に働くため、これまで明らかな運動障害を示す変異SOD1発現ショウジョウバエの確立はされていなかった。我々は、SOD1の酵素活性が欠失したC末端欠損変異型SOD1(T116XまたはL126X)を神経細胞に発現するショウジョウバエを作製することにより、明らかな運動障害を示す初の変異型SOD1トランスジェニック・ショウジョウバエの開発に成功した。これらのショウジョウバエでは寿命短縮も観察された。
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Research Products
(4 results)