2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規ミトコンドリア機能調節因子Aの発現低下と糖尿病発症の関係
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22790856
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
森野 勝太郎 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90444447)
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Keywords | エネルギー / 糖代謝異常 / ミトコンドリア機能異常 |
Research Abstract |
インスリン抵抗性被検者ではミトコンドリア密度の低下があるにもかかわらずPGC-1とその下流分子のmRNA発現には低下を認めなかったことから、PGC-1以外の因子によってミトコンドリア密度が調節されている可能性が示唆されたためDNA micro arrayを行い新規ミトコンドリア機能調節因子Aを同定した。この調節因子の発現が、インスリン抵抗性被検者の骨格筋で低下していたため、プロモーター領域のSNP検索を行った。この結果、2つのSNPが糖尿病患者で有意に多いとの結果を得た。このため、SNP周辺の遺伝子配列をクローニングし、ルシフェラーゼアッセイを行った結果、SNPによりプロモーター活性に差があることが明らかとなった。しかしながら、被患者の数を増やした上でGWASにより再検討した結果、同部位のSNPは糖尿病発症と直接関係ないとの結果を得た。次に、新規ミトコンドリア機能調節因子AがPPARDにより調節されることを見出した。PPARDの活性化剤はインスリン抵抗性の改善や、骨格筋ミトコンドリアバイオジェネシスの活性化をすることが知られる。我々の実験結果でも、PPARDのノックダウンはミトコンドリア密度を低下させることが観察された。本研究の意義として、糖尿病の発症早期に変化している減少として、骨格筋のミトコンドリア機能異常と細胞内情報伝達異常が存在するが、新規ミトコンドリア機能調節因子Aがインスリン抵抗性被検者で低下している事が、この現象を説明する可能性がある。したがって、糖尿病発症予防・治療の新たなターゲットと成り得ると考えている。
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Research Products
(20 results)