2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規インスリン分泌能評価法の開発およびその遺伝因子との関連に関する研究
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22790862
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
廣田 勇士 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80566018)
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Keywords | 高血糖クランプ / 正常血糖高インスリンクランプ / ディスポジション・インデック / インスリン分泌能 / インスリン抵抗性 / 遺伝因子 |
Research Abstract |
各耐糖能群にグルコースクランプ検査を施行し、累計として2型糖尿病患者(T2DM)48例、耐糖能異常者(IGT)18例、正常耐糖能(NGT)38例の合計104例において、インスリン分泌能および抵抗性の評価を行った。高血糖クランプ法で評価された第1相インスリン分泌(開始10分間のAUC IRI)は、NGT 300±141、IGT 344±177、T2DM 98±99 μu/ml・minと有意にT2DMで低下していた(P<0.001)。また高インスリン正常血糖クランプ法では、インスリン感受性指数(Insulin sensitivity index : ISI)は、NGT 0.14±0.40、IGT 0.07±0.03、T2DM 0.07±0.31と有意にIGTおよびT2DMで低下していた(P<0.05)。高血糖クランプによる第1相インスリン分泌と、高インスリン正常血糖クランプによるISIの積である新規インスリン分泌評価法disposition index (C-DI ; clamp PAI)は、NGT 40.3±16.4、IGT 25.5±14.8、T2DM 5.7±5.1と3群間で有意な差を認めた(P<0.001)。 また、既知の2型糖尿病感受性SNPsをTaqman PCR法によりタイピングし、C-DI (clamp PAI)をはじめとする各指標との関連を解析した。KCNQ1 rs2237892のgenotypeにより3群間で解析したところ、I.I.はT2DM,IGT,NGTいずれにおいても有意差を認めなかったが、C-DI (clamp PAI)はIGTにおいて、CC群 11.8±5.7、CT群 18.8±11.4、TT群45.6±11.3とリスクアリルを保持するCC群およびCT群は非保持者であるTT群より有意に低値であった(P<0.05)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グルコースクランプの施行数も順調に増加しており、C-DIの解析が進行している。また遺伝因子についても徐々に解析対象を増加させており、解析が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
グルコースクランプの施行数をさらに増やし、計画書に記している2型糖尿病150例を目標にする。また遺伝因子の解析数をさらに増やし、日本人のインスリン分泌能に関する遺伝因子の関与を明らかにしていく予定である。
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