2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790875
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
岡本 士毅 生理学研究所, 発達生理学研究系, 助教 (40342919)
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Keywords | 脳・神経 / ウィルス / メタボリックシンドローム / AMPキナーゼ |
Research Abstract |
視床下部は、動物個体のエネルギー代謝を自律的に調節しており、視床下部AMPキナーゼ(AMPK)が、レプチンやグルコースなどのシグナル分子として摂食行動を調節することが明らかとなっている。これまでに活性型AMPKをコードするレンチウィルスベクターを視床下部室傍核(PVN)に発現させ、二種類の食餌を自由に選択摂食させると、対照マウスは高脂肪食を摂食するが、活性型AMPK発現群は高薦糖食を多く摂食した。そしてこの嗜好性変化はPVNにおける脂肪酸酸化亢進に起因する事を明らかにした。同様の嗜好性変化は、絶食後の再摂食時にも生じ、低栄養からの回復時など生理的に必須の摂食調節機構と考えられる。 前年度の研究では、嗜好性変化に寄与する主要神経細胞がPVNに含まれるコルチコトロピン放出ホルモン(CRH)含有ニューロンである事を同定した。更に本年度では、単離したCRHニューロンを用いて、CRHニューロンのAMPKを活性化する事で、細胞内の脂肪酸酸化が亢進し、さらに細胞内カルシウム濃度が上昇して神経活動が惹起される事を見出した。これは神経細胞の主要エネルギー源と考えられているグルコース以外にも、脂肪酸代謝シグナルが神経活動の発火に寄与する事を示す直接的な証拠と考えられ、嗜好性制御にはむしろ脂肪酸代謝により発火する細胞集団による寄与が重要であると考えている。 今後CRHノックインCre Tgマウスを用い、遺伝子改変する細胞種をより簡便に制御出来る実験系を構築し、更に嗜好性制御メカニズムの解明に勤めたい。
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