2011 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺ホルモン受容体による糖尿病マウス遺伝子治療の試み
Project/Area Number |
22790883
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
古屋 文彦 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (90456450)
|
Keywords | 膵臓 / 糖尿病 / 再生医療 / 核内ホルモン受容体 / 甲状腺 / 細胞周期 |
Research Abstract |
これまで,我々はTR遺伝子導入を行った培養膵β細胞(MIN6細胞、RIN細胞)において、リガンド依存性に細胞増殖能が誘導されることを学術雑誌Journal of Biochemistryにおいて報告してきた。 今回、糖尿病モデルマウスに対して、ウイルスベクターを用いてTR遺伝子導入を行い、in vivoにおける、TRを介した膵β細胞の細胞増殖調節機構の変化、インスリン発現細胞の誘導の有無についての検討を行った。さらに膵外分泌細胞をインスリン産生細胞へ形質転換させうるかについて検討した。糖尿病モデルマウスではTRの遺伝子導入により、血中インスリン濃度の上昇や血糖値の低下が見られた。また、膵外分泌細胞では、TRの遺伝子導入により、膵β細胞特異的な転写因子であるMafA,Ngn3の発現が誘導され、インスリンの産生が見られていた。今後、膵β細胞の分化,増殖過程に対するTRの作用が実験動物レベルで解明されることが期待される。TRを介した膵臓特異的転写因子,細胞周期制御因子の発現調節のメカニズムが明らかになり、糖尿病の新たな治療法開発の可能性が期待される。 同研究内容につき、日本糖尿病学会、ヨーロッパ糖尿病学会において発表した。また、現在Journal biological chemistryに投稿中である。今後はTRα発現アデノウイルスベクターAdTRαを作成し、培養細胞に対して強制発現させることで蛋白相互作用を含めて、細胞周期に与える影響につき検討していく予定である。また、膵β細胞の機能を破壊した糖尿病モデルマウスに対しTRαの投与を行い、血糖値およびインスリン分泌能につき評価する予定である。
|
Research Products
(4 results)