2011 Fiscal Year Annual Research Report
iPS細胞を活用した間葉系細胞分化におけるエストロゲン関連受容体の役割の解明
Project/Area Number |
22790888
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
伊地知 暢広 埼玉医科大学, 医学部, 研究員 (80380624)
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Keywords | 再生医学 / 発生・分化 / 遺伝子 |
Research Abstract |
本研究は、エネルギー代謝や発癌における機能的役割に加え、細胞分化においても重要な役割を担うことが明らかにされつつあるエストロゲン関連受容体(ERR)の、細胞初期化ならびに間葉系由来細胞分化における役割を解明することを目的としている。細胞初期化ならびに間葉系細胞分化における生理的役割の評価として、遺伝子改変マウスから胚性繊維芽細胞(MEF)を単離し、iPS細胞への誘導を行った。その方法として、Sox2あるいはOct3/4のエンハンサー領域をEGFP遺伝子に連結したコンストラクトを有するレンチウイルスベクターを予め感染させる方法を用いて、安定発現株の樹立を行った。その後、初期化因子をレトロウイルスベクターにより強制発現させiPS化を誘導した。得られたiPS細胞はEGFP発現により選別、細胞塊形態変化、増殖能、初期胚特異的マーカー遺伝子発現などの検討を行った結果、遺伝子型間の顕著な差は見られなかった。遺伝子改変マウス由来iPS細胞の間葉系細胞分化誘導として、PPARγ遺伝子あるいはRunx2遺伝子をそれぞれ発現するアデノウイルスベクターを感染させる方法を用いて脂肪細胞分化ならびに骨芽細胞分化誘導を行った。その結果、本方法により一定の分化誘導効率の改善は見られ、同時に対象となるiPS細胞クローン間のばらつきが大きいことも判明した。幹細胞分化における機能評価、あるいは生理機能や病態に関連する生理活性物質ならびに薬剤のスクリーニングに向けたiPS細胞の実用化には、遺伝的かつ性質的により均質なiPS細胞クローンの樹立もしくは選別法の確立が必要であると考えられた。これらの検討から、ERRの細胞初期化ならびに間葉系由来細胞分化に対する機能評価のための研究基盤を確立した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Association of double-positive FOXA1 and FOXP1 immunoreactivities with favorable prognosis of tamoxifen-treated breast cancer patients2012
Author(s)
Ijichi N, Shigekawa T, Ikeda K, Horie-Inoue K, Shimizu C, Saji S, Aogi K, Tsuda H, Osaki A, Saeki T, Inoue S
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Journal Title
DOI
Peer Reviewed
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